映画『恋は光』は、2022年に公開された日本の青春ラブストーリー・コメディ作品で、監督は小林啓一が手掛けました。
物語は、恋愛の不確かさと感情の揺れ動きを描いています。
映画の中で、「恋をしている女性が光って見える」という特殊な能力を持った大学生・西条が、彼自身の心の葛藤を乗り越えて成長していく様子が描かれます。
映画「恋は光」解説
映画「恋は光」は、少し特別な能力を持った大学生・西条(神尾楓珠)が、複雑な恋愛模様に巻き込まれていく青春ラブストーリーです。
西条には、恋をしている女性から“光”が見えるという特異な能力があります。
最初はその能力を面倒に思っていた西条ですが、物語が進むにつれて、この「光」が恋愛の中でどう関わってくるのかが徐々に明らかになり、観る者を引き込んでいきます。
【製作情報】
- 製作年: 2022年
- 上映時間: 110分
- ジャンル: 青春、ラブストーリー、コメディ
- 監督: 小林啓一
- 製作国: 日本
【キャスト】
- 西条(神尾楓珠): 恋をしている女性から光を見ることができる大学生。恋愛に対して消極的だが、東雲に出会って心が動かされる。
- 北代(西野七瀬): 西条の幼馴染で、密かに西条に恋心を抱いている。西条の光の力に悩む一方で、彼との関係に心を痛めている。
- 東雲(平祐奈): 西条が一目ぼれする文学好きな女性。西条と心を通わせながらも、恋愛の光に関する疑問を持っている。
- 宿木(馬場ふみか): 略奪愛を繰り返す女性。西条と東雲が恋人関係にあると勘違いし、恋愛において自己中心的な行動をとる。
この映画では、登場人物それぞれの恋愛模様や心の葛藤が描かれ、恋に対する価値観や思い込みが重要なテーマとして扱われています。
また、神尾楓珠、西野七瀬、平祐奈、馬場ふみかという若手実力派俳優がキャストに名を連ね、物語に深みを加えています。
映画「恋は光」あらすじ・ネタバレ
物語は、大学生の西条が、恋をしている女性から光が見えるという能力に悩んでいるところから始まります。
この能力が西条にとってどれほど負担になっているかというと、彼は周囲の女性たちの「恋をしている」という感情を目の当たりにし、次第に恋愛に対して消極的になっていきます。
ある日、西条は一人の女性・東雲(平祐奈)と出会います。
東雲は本が好きな文学少女で、最初に彼女を見た瞬間、西条は一目惚れをしてしまいます。
しかし、彼女からは光が見えません。
この「光」が見えないということが、普通の恋愛映画ならば不思議でもなんでもないのですが、この映画ではその「光」が物語の重要な要素として絡んでいきます。
幼馴染
西条の幼馴染・北代(西野七瀬)は、ずっと彼に恋心を抱いていました。
しかし、かつて西条に「光っていない」と言われてから、北代は自分の想いを秘めたまま過ごしていました。
恋愛に関してとても積極的で、無理にでも恋愛を進展させようとする北代の姿に、観ているこっちも胸が痛くなる瞬間がありました。
北代は、西条が東雲と仲良くなっていくのを見て、密かに複雑な心情を抱きます。
西条にとって、彼女の気持ちを察することはなかなか難しく、そのために二人の関係はぎこちなくなりがちです。
しかし、北代もまた、内心では西条に想いを寄せ続けているので、見ているこっちももどかしい気持ちになります。
宿木の登場と波乱
物語が進む中、宿木(馬場ふみか)という女性が登場します。
他人の恋人を奪ってしまうという性格の持ち主で、西条と出会ったときには、北代と交際していると思い込んで西条に熱烈にアプローチをかけます。
宿木の存在は、西条にとって大きな混乱を引き起こします。
恋をしている感情ではなく、むしろ「奪いたい」という気持ちを抱えているため、その光の正体がどうにも分からないという不安を西条に与えます。
宿木からは光が見えるため、西条はその光の正体について考え続けることになります。
西条が気になる女性が光らない理由、それに対して宿木からは光が見えるという謎が、物語にミステリアスな要素を加えていきます。
恋愛の正体
西条は、自分の抱える「光」の謎を解明しようとする中で、ある日、光り輝く絵画を発見します。
その絵を描いた女子高生から、「恋をしていると光る」という言葉を聞き、恋愛に対する自分の理解が少しずつ変わり始めます。
しかし、この「光」がどういうものかはまだ曖昧で、西条自身が悩み続けます。
その後、西条は、北代と東雲のどちらが本当に好きなのか、自分の気持ちを整理しながら決断を下します。
最終的に、西条は北代を選びます。
その瞬間、西条はようやく、恋愛において「理屈ではない感情」こそが重要だと気づくのです。
光が見えるか見えないか、理屈で恋愛を定義することに意味はないということを学んだ彼は、心から素直になり、北代への想いを告白します。
結末
結局、西条は恋愛において理屈や定義を超えた「好き」という感情が大切だという結論にたどり着きます。
光が見えるか見えないかという問題に囚われず、ただ心が向く相手こそが最も大切だというメッセージが、映画のラストで強く感じられました。
最終的に、西条と北代は恋人同士として歩み始め、長い間片思いしていた北代もようやく恋が実り、二人は幸せな日々を送ることになります。
一方で、東雲と宿木は思うように恋愛が成就することはありませんが、それぞれが自分の気持ちと向き合い、これからの恋愛に向けて前向きに進んでいく姿が描かれています。
映画「恋は光」原作との違い
映画『恋は光』は、原作漫画と同じく恋愛をテーマにした作品ですが、映画化にあたっていくつかの重要な変更が加えられています。
原作のストーリーやキャラクターの描写が映画では少し調整されており、それが映画の魅力を引き立てています。
今回はその違いについて、親しみを込めて紹介したいと思います!
登場人物の関係性
原作漫画では、恋愛模様が非常に複雑で、西条を巡って北代、東雲、宿木の4人が絡み合う四角関係が描かれています。
しかし、映画版では宿木の役割が少し縮小され、基本的には西条、北代、東雲の三角関係に焦点を当てています。
これにより、ストーリーがよりシンプルで、観る人が感情移入しやすくなっています。
結末の変更
原作の結末では、西条は北代を振り、東雲と付き合う形になりますが、映画ではその逆で、西条が北代を選び、二人が交際を始めるというオリジナルの結末が描かれています。
この結末の変更については、原作のファンから賛否両論あるかもしれませんが、映画としては、より心温まるラストに仕上がっているように感じました。
キャラクターの描写
映画では、原作のキャラクターたちの描写も少し調整されています。
たとえば、北代が西条と一緒に釣りに行くシーンが追加され、彼女のキャラクターがより深く掘り下げられています。
これにより、北代の想いが観客に伝わりやすくなり、物語への感情移入が強くなったと感じました。
映画「恋は光」感想
まず最初に言いたいのは、すごく心に残る映画だったということです。
登場人物それぞれの恋愛模様が、優しくも切なく描かれていて、観終わった後にじわじわと温かい気持ちが広がりました。
西条の特殊な能力で、恋愛している女性が光って見えるという設定が面白かったですね。
恋愛感情というのは、理屈じゃないし、光のように目に見えるものじゃない。
でも西条はその光を通じて、自分の感情を見つめ直していくんです。その「光」を見ることで、彼がどうやって恋愛を理解していくのか、という過程がすごく繊細でリアルに感じました。
特に、北代の存在が大きかったです。
彼女が西条に対する想いを抱えつつも、光が見えないということで自信を持てず、悩んでいる姿には共感せずにはいられませんでした。
恋愛における「光っていない」ということが、心の中での不安や自信のなさを象徴しているようで、その描写がとても切なくて。
北代の気持ちが痛いほど分かるからこそ、彼女が最後に西条と結ばれるシーンにはホッとしました。
映画の中で、東雲(平祐奈)と宿木(馬場ふみか)の存在もとても大切です。
特に宿木のキャラクターが印象的で、最初は「なんでこんなに他人の恋人に手を出すんだろう?」と思ったんですが、彼女が光を見ている西条に接近する様子は、彼女自身の恋愛観や心情を感じさせました。
宿木もまた、自己肯定感のなさから来る行動だったのかなと思うと、少し切ない気持ちになりました。
一方で、東雲は最初から西条に心惹かれつつも、彼女自身の内面がしっかりしているので、ただの一目惚れに終わらず、彼女なりの心の成長が描かれているのが良かったです。
そして、ラストで西条が「理屈じゃない恋」を理解し、最終的に北代を選ぶシーンに感動しました。
最初は光を信じていた西条が、心の中でしっかりと「誰を好きか」を決める瞬間がとても美しかったです。
理屈や見た目ではなく、自分の気持ちに正直に向き合って、最終的に選んだのが北代だったことが、観ている側としても嬉しくて安心しました。
その一方で、東雲と宿木が報われなかったのは少し心残りでしたが、彼女たちがそれぞれ自分なりの恋愛を見つけていく過程もまた、現実的であり、温かいエンディングだと思いました。
映画『恋は光』は、恋愛をテーマにした作品でありながら、その深層にある心の葛藤や成長を丁寧に描いていて、とても感動しました。
光を通じて恋愛を理解しようとする西条の姿、そして彼を支える北代や東雲、宿木の想いが絡み合って、最後には本当に心が温かくなるような映画でした。
恋愛における理屈や「光」に囚われず、もっと素直に自分の気持ちに正直になる大切さを教えてくれる作品でしたよ!
まとめ
映画「恋は光」は、ただの青春ラブストーリーに留まらず、「光」という特別な要素を通して、恋愛が持つ複雑さや理屈を超えた感情を描いています。
登場人物たちが恋愛において直面する心の葛藤や、互いに影響し合う様子がリアルに描かれ、観客を共感させます。
理屈を超えた「好き」という感情を大切にすることの重要性を教えてくれる、心温まる映画でした。
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