青春恋愛映画として注目を集めた『思い、思われ、ふり、ふられ』。
原作は、咲坂伊緒さんによる同名の大ヒット漫画で、友情や恋愛が絡み合う青春ストーリーとして多くのファンに愛されています。
しかし、映画化されたこの作品には、「面白くない」という声も一部で上がっているのが現状です。
この記事では、映画のあらすじをおさらいしつつ、なぜそのような評価があるのかを考察してみたいと思います。
原作ファンや映画をまだ観ていない方もぜひ参考にしてくださいね。
映画「思い、思われ、ふり、ふられ」あらすじ
- 山本朱里(浜辺美波)…明るく社交的で現実的な考え方を持つ女の子。
- 市原由奈(福本莉子)…恋に憧れる純粋で夢見がちな性格の女の子。
- 山本理央(北村匠海)…朱里の義理の弟で、誰にでも優しいが本心を見せないタイプの男の子。
- 乾和臣(赤楚衛二)…由奈の幼なじみで、誠実で真面目な性格の男の子。
朱里と由奈は、偶然出会ったことをきっかけに友達になります。
一見正反対の性格を持つ2人ですが、友情を深めていく中でそれぞれの恋が交錯していきます。
由奈は、朱里の義理の弟・理央に恋心を抱きますが、朱里が理央に特別な感情を持っているのではないかと気づき、悩むことに。
一方、朱里は由奈の幼なじみ・和臣に惹かれていくものの、自分の家庭環境を気にして一歩踏み出せずにいます。
4人の関係は少しずつ複雑になり、友情と恋愛の間で揺れ動く姿が描かれていきます。
映画「思い、思われ、ふり、ふられ」面白くない?
映画『思い、思われ、ふり、ふられ』が「面白くない」と感じられる理由について、私なりに考察してみました。
原作ファンも多いこの作品。恋愛映画としての期待が高かった分、「思ったほど響かなかった」という声が出てしまうのも、いくつかの理由があるように思います。
登場人物の心情描写が浅い
原作漫画では、登場人物たちの心情が繊細に描かれていて、共感しやすいのが魅力の一つでした。
でも、映画では時間の制約があるためか、その心情描写が薄くなってしまったと感じた方が多いようです。
特に、恋愛に悩む彼らの「モヤモヤ」や「葛藤」が十分に伝わらず、物語がさらっと流れてしまった印象があります。
例えば、由奈が理央への思いを抱えながらも友達として接する苦しさや、朱里の家族や恋愛に対する複雑な感情など、細かい部分が映画では省略されてしまったようです。
観ている側としては、キャラクターたちの心の動きがもう少し丁寧に描かれていたら、もっと感情移入できたのではないかと思います。
ストーリー展開が唐突
映画では、原作のストーリーを2時間以内に収めなければならないため、展開が急ぎ足になってしまうのは仕方ないのかもしれません。
ただ、そのせいで、「え、なんでこのキャラクターがこうなるの?」と思う場面がいくつかあったようです。
例えば、理央と朱里の家族関係や、それぞれが抱える家庭の問題があまり深く描かれていないため、観ている側には「設定だけが先行している」と感じられる部分がありました。
また、恋愛模様も展開が早すぎて、キャラクター同士の感情のつながりが薄く感じられるシーンがあったように思います。
キャラクターのイメージとのズレ
原作ファンからの声でよく聞かれるのが、キャラクターのビジュアルや雰囲気が原作と違うという指摘です。
例えば、理央の金髪が再現されていない点や、全体的なキャラクターのビジュアルが「原作のイメージと違う」と感じる人が少なくないようです。
もちろん、映画化に伴いキャラクターのイメージが変わるのはよくあることですが、原作の持つ雰囲気が好きだった人にとっては、ちょっと違和感を覚えたのかもしれません。
原作と比較してしまう
原作ファンにとっては、「漫画のあのシーンがない!」とか「もっとじっくり描いてほしかった」という気持ちがあるのは自然なこと。
漫画では、恋愛や友情の微妙なニュアンスが丁寧に描かれていた分、映画の簡略化された描写では満足感が得られなかったのかもしれません。
たとえば、由奈と理央、朱里と和臣、それぞれの恋愛模様が交差していく過程の繊細さが、映画ではちょっと薄れてしまったように感じました。
原作を知らない人には分かりやすく、でも原作ファンには物足りない…そんなバランスの難しさがあるのかもしれませんね。
恋愛映画としてのインパクト不足
最近の恋愛映画は、観る人を驚かせるような展開や、心に強く残る感動的なシーンが重視される傾向にあります。
でも、『思い、思われ、ふり、ふられ』は、日常の延長線上にあるようなリアルな恋愛を描いている分、ドラマチックな盛り上がりが少ないと感じる人もいたようです。
たとえば、「感動的なシーンはあったけど、予想を超える驚きはなかった」「特に印象に残るセリフがなかった」という意見もありました。
もっと観る人をぐっと引き込むような仕掛けがあったら、評価が変わったかもしれません。
それでも、この映画の良さ
とはいえ、この映画の良さがないわけではありません!
リアルな高校生たちの恋愛や友情が描かれているので、青春時代を思い出して懐かしく感じる人も多いはずです。
また、主演の浜辺美波さんや北村匠海さんなど、キャストの演技も魅力の一つです。
原作とはまた違った視点で、「映画としての青春の空気感」を楽しむのも一つの方法かもしれません。
特に、初恋の甘酸っぱさや友達との関係に悩む姿に共感できる人には、刺さる部分があると思います。
映画「思い、思われ、ふり、ふられ」ネタバレ感想
映画『思い、思われ、ふり、ふられ』を観終わったあと、私が一番感じたのは「キャラクターたちの純粋さや不器用さがとてもリアルだった」ということです。
特に、由奈の恋に対する一途さには心が温かくなると同時に、どこか切なさも感じました。
個人的に一番印象に残ったのは、由奈が理央への想いを打ち明ける場面です。
由奈は控えめで内気な性格のため、自分の気持ちを伝えるのに勇気が必要だったはず。
その姿は、私自身の青春時代を思い出させてくれて、「あの頃ってこんなに一生懸命だったな」と感慨深くなりました。
一方で、朱里と和臣の関係も興味深かったです。
朱里は明るくて社交的な一方で、家族の問題を抱えているためにどこか心に壁を作っている部分があります。
そんな彼女が和臣の優しさに少しずつ惹かれていく過程は、とても自然で共感できました。
この映画の良さは、やはりキャストの演技です。
浜辺美波さんの朱里は、自信を持っているように見えて実は弱さもあるという難しい役柄を見事に演じていました。
また、北村匠海さんの理央も、優しさの裏に隠された複雑な感情を感じさせる演技が印象的でした。
また、映像の美しさにも注目したいです。
特に、夕陽に照らされた街並みや学校のシーンなど、青春の1ページを切り取ったような映像美が素晴らしかったです。
これだけでも観る価値があると思いました。
ただ、全体を通して「もう少し感情の掘り下げがあれば…」と思う部分もありました。
原作を知っている身としては、キャラクターの心情がもっと丁寧に描かれていたら、さらに感情移入できたのではないかと感じます。
例えば、朱里が和臣に惹かれる理由や、理央が由奈に対してどう感じているのかが、やや説明不足に思えました。
そのため、観ていて「どうしてこうなったんだろう?」と少しモヤモヤする部分もありました。
まとめ
映画『思い、思われ、ふり、ふられ』が「面白くない」と言われる理由は、心情描写やストーリー展開の不足、原作とのギャップなどが挙げられます。
しかし、それは逆に言えば、「原作がいかに愛されているか」の証拠でもあります。
観る人の期待が高かった分、厳しい意見も出ていますが、この映画は青春の一瞬を切り取ったような作品として、十分楽しむ価値があると思います。
もし原作が好きなら、映画を観た後にもう一度漫画を読み返してみるのも良いかもしれません。
違った視点で物語を楽しめるかもしれませんよ!
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