映画「ラストレター 」が気持ち悪いと言われる理由!あらすじやネタバレ感想

こんにちは!今回は、岩井俊二監督による映画『ラストレター』について語りたいと思います。

公開当初から話題になった本作ですが、一部の視聴者から「気持ち悪い」という感想が寄せられていることも事実です。

なぜそんな声が上がるのか、その理由を探りつつ、映画の魅力やあらすじもお伝えします。

映画「ラストレター 」のあらすじ

物語は、美しい風景が広がる田舎町から始まります。

主人公の岸辺裕里(松たか子)は、亡くなった姉・未咲(広瀬すず)の代わりに同窓会に出席することになります。

未咲の死を知らせるために参加したのですが、なぜか彼女自身が未咲だと誤解されてしまいます。

同窓会の場で、裕里は未咲の初恋の相手だった小説家・乙坂鏡史郎(福山雅治)と再会します。

鏡史郎は未咲だと思い込んで話しかけてきますが、裕里は真実を告げられず、姉のふりをしてしまいます。

その後、裕里と鏡史郎の間で手紙のやり取りが始まります。

鏡史郎は昔の思いを手紙に綴り、裕里はそれに返事を書く形でやり取りが進んでいきます。

しかし、次第にこの「姉のふりをする」という設定が裕里の家族や周囲にも影響を及ぼしていきます。

裕里の娘・鮎美(森七菜)もまた物語の中で重要な役割を果たします。

彼女は母や叔母が抱える秘密や、鏡史郎との交流に疑問を持ちながらも、亡き母未咲の本当の姿を知ろうとします。

映画は過去と現在が交錯しながら進み、裕里と未咲、そして鏡史郎の三角関係だけでなく、家族の絆や隠された真実が明らかになっていきます。

 

映画「ラストレター 」気持ち悪いと感じる理由

映画『ラストレター』は美しい映像や切ないストーリーが魅力ですが、一部の観客からは「気持ち悪い」という感想が寄せられることもあります。

その理由を具体的に見ていきましょう。

 

主人公の行動に共感しづらい

裕里が姉・未咲のふりをして同窓会に参加し、その後も鏡史郎との手紙のやり取りで嘘を続ける展開に違和感を覚える人が多いようです。

特に、未咲の死という深刻なテーマが背景にある中で、姉の名前を使って自分の思いを語る行為が不誠実に感じられるとの指摘があります。

また、鏡史郎がその嘘に気づいていながらも受け入れる姿勢にも不自然さを感じる人がいます。

「なぜそこまで嘘に付き合うのか?」という疑問が、ストーリーの説得力を欠く要因とされているようです。

 

手紙のやり取りが不気味に映る

手紙という昔ながらのコミュニケーション手段を用いる点はノスタルジックで魅力的ですが、その内容が「未咲」を装ったものであることが問題視されています。

裕里が鏡史郎に送る手紙には、姉ではなく自分自身の感情が含まれており、これが一部の観客には欺瞞的で気持ち悪いと感じられる原因になっています。

 

家族への影響

裕里の行動が家族にも波紋を広げる点も批判されています。

特に、娘の鮎美が未咲の死や母の行動に対して困惑し、不安定な心境に陥る姿が描かれています。

家族に隠し事をすることで、裕里自身が抱える葛藤は伝わりますが、同時にその行動が家族の絆を揺るがしているように見えるのです。

 

映画「ラストレター 」の魅力

一方で、『ラストレター』には多くの魅力が詰まっています。

特に岩井俊二監督ならではの美しい映像表現や、登場人物たちの繊細な感情描写が光ります。

 

映像美

映画の舞台となる田舎町の風景や、季節の移り変わりを丁寧に描いた映像美は、観客に深い印象を与えます。

特に、手紙が届けられるシーンや回想シーンでの光の使い方は、物語の儚さや登場人物の心情を引き立てています。

 

演技

松たか子、福山雅治、広瀬すず、森七菜といった豪華キャストの演技が、物語にリアリティを与えています。

特に松たか子の繊細な演技は、裕里の複雑な心情を見事に表現しています。

 

手紙というテーマ

手紙を通じて過去と現在が繋がるというテーマは、多くの人にノスタルジーを感じさせます。

現代ではメールやSNSが主流となっていますが、本作では手紙が重要な役割を果たし、その特別な存在感が際立っています。

 

映画「ラストレター 」ネタバレ感想

正直に言うと、最初に観たときは「えっ?」と思う場面がいくつかありました。

裕里が未咲のふりをするという展開には驚きましたし、その嘘がどんどん広がっていく様子には少し引いてしまった部分もあります。

ただ、映画を最後まで観ると、その行動の背景にある裕里の心の葛藤や、未咲との関係性がじわじわと伝わってきました。

裕里にとって、未咲はただの姉ではなく、自分とは違う輝かしい存在であり、同時に越えられない壁のような存在でもあったのだと感じました。

未咲の影に隠れて生きてきた裕里が、自分自身を取り戻そうとする物語でもあるんだな、と。

鏡史郎の態度についても、最初は「なぜ嘘に気づいているのに受け入れるの?」と思いましたが、彼自身もまた未咲との過去に囚われ、どこかでそれを清算したいと思っていたのかもしれません。

手紙を通じてやり取りを続ける中で、二人とも自分の心の整理をしていたように思います。

何よりも印象に残ったのは鮎美の存在です。

彼女が母や叔母の過去を知りながら、前向きに未来を切り開こうとする姿に救われました。

裕里や未咲の世代の問題が、鮎美という新しい世代に引き継がれないようなラストには、ほっとしました。

 

まとめ

『ラストレター』は、登場人物たちの選択や感情に共感できるかどうかで評価が大きく分かれる作品です。

しかし、その中には普遍的なテーマである「愛」「家族」「思い出」がしっかりと描かれています。

また、映画を通じて「過去に囚われること」と「現在を生きること」の対比が浮き彫りになり、観客自身の人生を振り返るきっかけにもなります。

登場人物たちの行動に違和感を覚える人もいる一方で、その葛藤や不器用さに共感し、深い感動を味わう人も少なくありません。

映画『ラストレター』は、観る人によって感じ方が大きく異なる作品です。

一部の人には「気持ち悪い」と感じられる要素があるかもしれませんが、その一方で美しい映像や切ない物語に心を打たれる人も多いでしょう。

ぜひ一度この作品を観て、自分自身の感想を持ってみてください。

過去と現在、そして未来を繋ぐ手紙の物語が、あなたに何を語りかけてくれるのかを感じてみてくださいね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました