映画『パッセンジャー』は、宇宙という閉ざされた空間で繰り広げられる孤独と愛の物語として、多くの観客に感動を与えました。
主演のジムとオーロラが出会い、共に生活を始めてからのストーリーが描かれますが、そのラストシーンには観る者に多くの疑問を投げかける要素も含まれています。
その中でも特に注目されるのが、ラストに登場する子供の存在です。
今回はそのラストシーンにおける子供について考察してみます。
映画「パッセンジャー」の概要
『パッセンジャー』は、2016年に公開されたアメリカのSF映画です。
宇宙を舞台にしたこの作品は、宇宙船「アヴァロン号」が惑星への移住を目指して1,2000人の乗客と乗員を乗せて旅をしているところから始まります。
しかし、途中で船のシステムに異常が発生し、２人の乗客が目を覚ますことになります。
それが、ジムとオーロラです。
ジムは、予定より90年早く目を覚ましたため、すぐに孤独な状況に陥ります。
オーロラもまた目を覚ますことになりますが、二人は異なる経歴を持ちながらも、やがて強い絆を結ぶようになります。
物語は、二人の間に芽生えた愛情と、それを乗り越えるために彼らがどのように行動するのかを描いています。
キャスト
- オーロラ・レーン：ジェニファー・ローレンス
- ジム・プレストン：クリス・プラット
- アーサー：マイケル・シーン
- ガス・マンキューゾ：ローレンス・フィッシュバーン
- ノリス船長：アンディ・ガルシア
日本語吹替版では、オーロラ・レーン役を水樹奈々さん、ジム・プレストン役を小松史法さんが担当しています。
映画「パッセンジャー」ラスト子供考察！
映画の終盤、ジムとオーロラは、宇宙船内で新たな生活を築き、次第に絆を深めていきます。
そして、物語の最後に近づくと、宇宙船内の環境が改善されていくシーンが描かれます。
ジムとオーロラは、宇宙船内で植物を育てたり、日常生活を営んだりしており、その中でオーロラは次第に「新しい人生」を築こうとします。
そして、ラストのシーンでは、宇宙船内に作られた「温室」に二人が共にいる場面が映し出されます。
この温室の中には、植物が育っており、さらに、何かしらの「生命の息吹」を感じさせるような印象的な演出がされています。
そこで注目されるのは、オーロラの手に小さな赤ちゃんを抱いているシーンです。
この赤ちゃんの登場が、観客に大きな印象を与え、物語の最後におけるメッセージが強く伝わる場面となります。
ラストシーンにおける子供の意味とは？
ラストシーンで子供が登場することについて、観客の中には多くの疑問を持つ人もいるでしょう。
この赤ちゃんは、一体どこから来たのか、そしてなぜこのタイミングで登場したのかといった疑問が浮かびます。
まず考えられるのは、この赤ちゃんが「希望の象徴」であるということです。
映画全体を通して、ジムとオーロラは閉ざされた空間の中で孤独と向き合い、そこから抜け出すために努力し続けます。
特に、オーロラが初めて目を覚ました際には、葛藤や孤独感が強調されていました。
しかし、ラストシーンでの赤ちゃんの登場は、彼らがどんな困難な状況でも希望を見つけ出し、新たな命を育んでいることを象徴しています。
宇宙という広大で冷たい世界の中で、二人が再び「命を育む力」を持っていることが強調されているのです。
子供は象徴的な存在としての役割を果たしている
ラストで登場する子供は、実際には物語上での大きな役割を果たしているわけではありません。
しかし、その登場には重要な象徴的な意味が込められていると考えられます。
ジムとオーロラが共に未来を歩む決意を固める中で、「新たな命」を迎え入れることが描かれることで、物語の中で彼らが築いた新しい家族の形が強調されます。
つまり、子供の存在は二人の未来の象徴であり、彼らが新たに始めるべき新しい生活のシンボルなのです。
また、この子供は物理的に現実に存在するものではなく、ジムとオーロラの心の中で生まれた「理想」のような存在であるとも考えられます。
二人が過去の孤独や後悔を乗り越え、今後の希望を見つけて共に歩んでいく決意を持つ姿が、この赤ちゃんの登場によって表現されているのです。
赤ちゃんが抱えられているというシンプルなシーンが、物語全体のテーマである「再生」と「新たな希望」を強調するための最終的な象徴になっています。
映画「パッセンジャー」ネタバレ感想
映画『パッセンジャー』を観終わった後、かなり考えさせられました。
最初に言いたいのは、この映画が想像していたよりもずっと感情的な部分に訴えてくる作品だったということです。
最初の数分は、「あれ？これってただのSFのサバイバル映画じゃないの？」と思っていましたが、徐々に人間ドラマが深く絡んできて、ぐっと引き込まれました。
まず、ジムとオーロラの二人が目を覚ますシーンから物語は始まりますが、彼らの孤独感と絶望感がひしひしと伝わってきます。
特にジムの心情が痛いほど分かるんですよね。
たった一人で、しかも先が見えない状況で過ごす時間がどれほど耐え難いものか、考えるだけでゾッとします。
彼がオーロラを覚醒させてしまうシーンは、正直なところ複雑な気持ちでした。
ジムがなぜその決断を下したのか、感情的には分からなくもないのですが、その行動がオーロラにどんな影響を与えるのかを考えると、ちょっと許しがたい気持ちにもなりました。
でも、映画が進んでいくと、二人の関係が変化していき、最初の緊張感から少しずつお互いの絆が深まっていくのが見えて、心が温かくなっていきました。
特に、二人が一緒に問題を解決しようとするシーンや、愛情が芽生えていく過程は本当に美しくて、見ているこっちも応援したくなります。
もちろん、ジムの罪悪感やオーロラの怒りの気持ちが交錯する場面も多く、感情の振り幅が大きかったですが、それが物語をよりリアルに感じさせてくれました。
そして、映画のラスト。あのシーンには驚かされました。
最初にジムが犯した過ちが、最終的には二人の未来を作り上げるきっかけとなって、まさに「人生は予測できない」と感じさせられました。
オーロラとジムが新たなスタートを切るシーンで、まるで宇宙船内に新しい命を吹き込んだような、希望に満ちた空気が流れていて、見終わった後に心がじんわり温かくなりました。
全体的に見て、この映画はただのSF映画ではなく、深い人間ドラマが織り交ぜられた作品だと感じました。
孤独、罪悪感、愛、そして希望。どれもが絡み合って、最終的には「愛こそが最も大切なものだ」というメッセージを強く伝えてくるんです。
少し後味が苦い部分もありますが、それが逆にリアルで心に残りました。
もしも宇宙船の中で目を覚ましたら、自分だったらどうするだろう？って考えさせられること間違いなしの映画です。
シンプルなサバイバルものだと思って観たけど、予想以上に感動的な物語だったなと、今でも余韻に浸っています。
まとめ
映画『パッセンジャー』のラストに登場する子供について考察してきましたが、この赤ちゃんの存在は非常に象徴的であり、物語のテーマである「希望」「再生」「新しいスタート」などを強調するために登場したと考えられます。
ジムとオーロラは、宇宙という過酷な環境で孤独を乗り越え、二人の関係を築き上げ、最終的に新たな命を育むという形で未来への希望を見出すことができたのです。
物語は、単なるサバイバルストーリーではなく、深い感動をもたらす人生の再生と成長を描いていると言えるでしょう。
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