2017年版『パピヨン』は、オリジナルの1973年版をリメイクした作品で、フランスの作家アンリ・シャリエールの自伝的小説を基にした実話に基づく物語です。
監督は『ライフ』や『アンダーワールド』シリーズの監督として知られるマイケル・ノアーが務めました。
この新しいバージョンでは、主演にチャーリー・ハナム(シャリエール役)とラミ・マレック(ルイ・デガ役)がキャスティングされ、さらに現代的な演出と技術で物語が描かれています。
映画「パピヨン」のあらすじ
映画『パピヨン』は、フランスの刑務所に収監されたアンリ・シャリエールという男の実話を描いています。
シャリエールは、ある犯罪で無実の罪を着せられ、厳しい刑務所生活を送ることになります。
脱獄を決意し、同じく囚人であるルイ・デガと出会い、二人は脱獄計画を練り始めます。
物語は、シャリエールの執念と脱獄への強い意志を描きながら、過酷な刑務所での生き様を見せつけます。
映画は、どれだけ過酷な環境でも諦めずに脱獄を目指し続ける姿勢に焦点を当てています。
シャリエールの強さ、勇気、そして希望の物語が見どころです。
映画では、最初は刑務所内での生活が描かれ、脱獄を試みるも失敗を繰り返しながらも、最後には自由を手に入れるという大きなクライマックスに向かって物語が展開します。
脱獄の過程では、シャリエールが命を懸けて挑んでいく姿勢に、観客は感動を覚えること間違いなしです。
主演キャストと演技
チャーリー・ハナムが演じるシャリエールは、非常に感情的で人間味のあるキャラクターとして描かれています。
オリジナルのスティーブ・マックイーンが演じたシャリエールの冷徹な一面とは違い、ハナムのシャリエールはもっと内面的な葛藤が見られ、特に彼が希望を失わずに脱獄を目指す姿に強い感情移入ができます。
一方、ラミ・マレックが演じるデガは、彼の優れた演技力を存分に発揮したキャラクターです。
デガは知識や策略を活かして、シャリエールにとって欠かせない存在となり、彼の人生に深い影響を与える存在です。
マレックのデガは、以前のデガと比べるとやや控えめで内向的ですが、その誠実さとシャリエールへの献身的な思いはしっかりと描かれています。
映像と音楽
2017年版では、現代の技術を駆使した映像美が際立っています。
刑務所内の描写や脱獄のシーンは、視覚的に迫力があり、観客を圧倒する映像で物語を引き立てています。
特に脱獄を試みるシーンでは、緊張感が高まり、観る人をドキドキさせます。
映像の細部までしっかりと作り込まれており、観ているうちにシャリエールと共に脱出を目指す気持ちになります。
音楽についても、映画の雰囲気に合わせたドラマチックな楽曲が使用されており、感情を高める演出がされています。
特に、シャリエールが絶望から希望を見つける場面では、音楽がその感動を一層引き立てています。
2017年版の特徴
この新しい『パピヨン』では、オリジナルの1973年版と比較して、登場人物の感情の描写が深く掘り下げられています。
シャリエールとデガの関係がより人間的で共感を呼ぶものとなり、物語全体がただの脱獄劇にとどまらず、友情や希望、そして不屈の精神を描いたヒューマンドラマに仕上がっています。
また、現代的な映像技術と音響が加わり、映像や演技に迫力が増しています。
オリジナルのシリアスな雰囲気を踏襲しつつも、現代的な感覚で物語を再構築することで、観客に新しい感動を与えることができたと言えるでしょう。
映画「パピヨン」実話のその後と映画の比較!
映画『パピヨン』が公開された当時、シャリエールの実際の人生には続きがありました。
映画のラストでは、シャリエールがついに脱獄に成功し、自由を手に入れたところで物語は終わります。
しかし、実際にはその後も彼の人生は波乱に満ちたものでした。
シャリエールは脱獄後、南米に逃亡し、最終的にはフランスに戻りますが、実際に彼がどう生きたかについては映画とは異なる点も多かったと言われています。
映画では、脱獄後のシャリエールの人生について詳しく描かれませんが、実際には彼が脱獄後にどのような道を歩んだのかという部分が重要です。
シャリエールは、脱獄後にしばらくはフランスに戻らず、南米で暮らしていました。
彼は自らの体験を本にまとめ、書籍『パピヨン』を発表しました。
この本は、彼の人生における苦難と希望、そして自由を求め続けた強い意志を描いたものです。
映画ではその後の彼の人生についてはあまり触れられていませんが、彼が世界中で本を広め、最終的には自分自身の過去を受け入れることができたことがわかります。
映画と実際の出来事の違い
映画『パピヨン』は、シャリエールの実話を基にしていますが、映画化にあたりいくつかの創作が加えられています。
映画はもちろんエンターテインメント性を持っているため、実際の出来事とは異なる部分もあります。
映画を観た人々の中には、実際の事件をどうしても映画のストーリーと照らし合わせて考えてしまう人も多いと思いますが、実際のシャリエールの人生と映画の違いについて少し触れてみましょう。
まず、映画ではシャリエールが脱獄に成功し、その後の人生が順調に描かれています。
しかし、実際には脱獄後、シャリエールは何度も行き先を変え、非常に困難な日々を送りました。
映画のように一気に自由を手に入れたわけではなく、現実のシャリエールは非常に厳しい状況に直面していました。
また、映画でのシャリエールとデガの絆は非常に強調されていますが、実際には二人の関係がそこまで強く結びついていたかどうかは定かではありません。
映画では、デガとの友情がシャリエールの生きる力となり、脱獄を実現させる要素として描かれていますが、実際のシャリエールがどれだけデガを頼りにしていたかという点については疑問視されています。
映画の最後では、シャリエールが自由を手に入れた後にその後の人生が簡潔に描かれていますが、実際にはその後、彼はしばらくは自由を手にすることができず、あまり幸せな人生を送ったわけではありません。
映画のように希望に満ちた結末を迎えたわけではなく、むしろ苦悩の連続だったというのが実際の出来事でした。
映画「パピヨン」ネタバレ感想
映画『パピヨン』を観終わった後、正直言ってかなり感動しました。
最初はただの脱獄映画だと思っていたんですが、途中からその深い人間ドラマに引き込まれていった感じです。
シャリエールがどんな困難な状況でも決して諦めずに自由を手に入れようとする姿勢には、心から勇気をもらいました。
特に印象的だったのは、シャリエールとデガの絆です。
映画の中で、二人は最初こそはただの「囚人同士」って感じだったんですが、だんだんとお互いにとってかけがえのない存在になっていくんですね。
彼らの関係が深まっていく過程に、何度も胸が熱くなりました。
特にシャリエールがどれだけデガを助け、逆にデガもシャリエールのために尽力する場面には、思わず涙が出そうになりました。
また、シャリエールが脱獄を試みる度に失敗し、絶望的な状況に追い込まれるシーンが続くんですが、その度に「まだ諦めるな」という気持ちで応援し続けてしまいます。
まさに人間の粘り強さというか、希望を失わない力に感動しました。
どんなに辛くても、最後まで自由を諦めなかったシャリエールの姿は、すごく胸を打たれました。
もちろん、映画のラストでシャリエールが脱獄に成功するシーンには、「やった!」と心の中でガッツポーズをしてしまいました。
でも、実際に彼がその後どうなったのかを考えると、映画と現実のギャップを感じざるを得ません。
実際には、脱獄後も彼の人生は波乱万丈だったということを知って、少し複雑な気持ちになりました。
でも、それでも映画は非常に力強いメッセージを届けてくれる作品だったと思います。
どんなに絶望的な状況でも、決して諦めずに前を向いて生きることの大切さを改めて感じさせてくれました。
もし自分がシャリエールのような立場だったら、きっとあそこまで強くなれないだろうなと思うと、さらにその勇気に感服してしまいます。
正直、映画の中でシャリエールが脱獄を繰り返し、失敗してもまた挑戦する姿を見る度に、自分も困難なことに直面した時、少しでもあの強い心を持てるようになりたいと感じました。
結局、この映画が教えてくれたのは、何より「諦めないこと」なんだなって思いましたね。
まとめ
映画『パピヨン』は、実際の出来事を基にした感動的な脱獄ドラマであり、その勇気と希望の物語は多くの人々に感動を与え続けています。
しかし、実際のシャリエールの人生には映画とは異なる現実があり、その後の苦悩や試練も忘れてはならないポイントです。
映画を観た後に実際のシャリエールについて調べることで、物語の背後にある真実を知り、さらに深くその物語に触れることができるでしょう。
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