映画『グリーン・ランタン』(2011年)は、DCコミックスの人気キャラクター「グリーン・ランタン」を題材にしたアメリカのスーパーヒーロー映画です。
主演はライアン・レイノルズが務め、彼が演じるのは地球人のパイロット、ハル・ジョーダン。
今回は、この映画のあらすじをネタバレを含めて、親しみやすい言葉でご紹介したいと思います。
映画「グリーン・ランタン」概要
まず、映画の舞台となるのは、宇宙を守るために選ばれた戦士たちが所属するグリーン・ランタン・コープという組織です。
グリーン・ランタンたちは、「意志の力」を使って宇宙全体を守っており、各々が担当するセクターを守っています。
彼らの力の源は、ランタンの指輪。
この指輪は、選ばれた者にのみ力を与え、宇宙の平和を守る任務を与えます。
この映画では、グリーン・ランタンが直面する最大の敵として、恐怖を司る存在「パララックス」が登場します。
パララックスは、恐怖を吸収し、それを力に変えることができる恐ろしい存在です。
宇宙を支配しようとし、その危険な力によって、グリーン・ランタン・コープは壊滅の危機に直面します。
キャスト
主要キャストとその役柄の紹介です。
ライアン・レイノルズ(ハル・ジョーダン/グリーン・ランタン)
ハル・ジョーダンは、物語の主人公であり、地球のグリーン・ランタンとして選ばれるパイロットです。
ライアン・レイノルズは、ハルの内面的な葛藤や、勇気を持って恐怖を乗り越えて戦う姿を力強く演じています。
キャラクターは、時に愚かで無謀な一面を見せながらも、最終的にはヒーローとして成長していきます。
ブレイク・ライヴリー(キャロル・フェリス)
キャロル・フェリスは、ハル・ジョーダンの元恋人で、彼を支える重要な人物です。
ブレイク・ライヴリーはキャロルを演じるにあたって、知的で自立した女性としての魅力を存分に発揮しています。
ハルの過去と向き合わせ、最終的に彼が恐怖を乗り越える手助けをする役割を担っています。
マーク・ストロング(シネストロ)
シネストロは、グリーン・ランタンの訓練を担当する戦士であり、物語の中で重要な対立を生み出すキャラクターです。
マーク・ストロングはシネストロを冷徹で理知的な人物として描き、後に物語の重要な敵となる人物へと変貌していきます。
ピーター・サースガード(ヘクター・ハモンド博士)
ヘクター・ハモンド博士は、物語の中でパララックスの力を受け継いでしまうキャラクターです。
ピーター・サースガードは、最初は劣等感を抱えた普通の人物として登場し、その後、強力な能力を得て急速に暴走していく様子を見事に演じています。
ヘクターの悲劇的な変貌が物語を引き締めています。
テムエラ・モリソン(エイビン・スール)
エイビン・スールは、グリーン・ランタンの戦士で、ハル・ジョーダンを指導する役割を果たします。
テムエラ・モリソンは、このキャラクターを演じるにあたって、戦士としての威厳を持ちながらも、ハルを支える優しさも感じさせています。
タイカ・ワイティティ(トム・カルマク)
トム・カルマクはハルの親友であり、地球の現実世界でのハルの支えとなる人物です。
タイカ・ワイティティは、少しコミカルで愛嬌のあるキャラクターとして登場し、物語に軽やかな雰囲気を与えています。
アンジェラ・バセット(アマンダ・ウォラー)
アマンダ・ウォラーは、米国政府のエージェントであり、物語中で重要な役割を果たします。
アンジェラ・バセットは、アマンダ・ウォラーを非常に強い女性キャラクターとして演じており、冷徹な一面を見せつつ、状況に応じてさまざまな判断を下す人物です。
ティム・ロビンス(ロバート・ハモンド)
ロバート・ハモンドは、ヘクター・ハモンド博士の父親で、物語の中で科学者としての役割を果たします。
ティム・ロビンスはこの役を落ち着いた演技で演じ、物語に深みを与えています。
映画「グリーン・ランタン」あらすじ・ネタバレ
映画は、グリーン・ランタンが地球のパイロットであるハル・ジョーダン(ライアン・レイノルズ)を選んだところから始まります。
ハルは、軍の戦闘機パイロットとして活躍しているものの、過去に父親を飛行機事故で失ったことが原因で、心に深いトラウマを抱えています。
無謀な飛行を繰り返し、キャロル(ブレイク・ライヴリー)という女性パイロットと共に日々を過ごしていますが、心の中には恐怖と葛藤が渦巻いています。
そんなある日、宇宙のグリーン・ランタン・コープから一人の戦士アビン・サー(テムエラ・モリソン)が地球に到着します。
アビン・サーは、パララックスによって重傷を負い、命が長くないことを悟ります。
自分の指輪に命じて、後継者となるべき人物を地球で探し出すようにします。
そして、その指輪が選んだのが、他でもないハル・ジョーダンだったのです。
ハルは突然、緑色の光に包まれてアビン・サーの元に飛ばされ、指輪の力を託されます。
しかし、グリーン・ランタンの能力を使うことができず、戸惑うハル。
さらに、グリーン・ランタン・コープの戦士団長であるシネストロ(マーク・ストロング)は、地球人であるハルを不信に思い、彼を認めようとしません。
しかし、ハルは何とかその力を使えるようになり、正式にグリーン・ランタンとしての役割を果たすことになります。
地球の危機
一方、地球では、アビン・サーの死に関わる人物としてヘクター・ハモンド博士(ピーター・サースガード)が登場します。
ヘクターは、アビン・サーの解剖を担当することになり、その際、アビン・サーの体に残されていたパララックスの残骸に触れることになります。
これにより、ヘクターは恐ろしい能力を得てしまい、次第にその力に溺れていきます。
ヘクターは、元々劣等感を抱えていた人物で、周囲から疎外感を感じていたため、パララックスの力を手に入れることで、自分を変えたいと願うようになります。
パララックスは、ヘクターを利用して、グリーン・ランタンのハル・ジョーダンを殺すように命じます。
パララックスは、ヘクターに指示を与え、地球で自分の復讐を果たすために動き出します。
さらに、パララックスは、その恐怖の力を使って、地球に迫ってきます。
ハル・ジョーダンの成長と戦い
ハル・ジョーダンは、恐怖と戦いながらも、徐々にグリーン・ランタンとしての力を身につけていきます。
しかし、一つ大きな問題があります。
それは、パララックスと戦うためには、恐怖心を克服しなければならないということです。
ハルは、パララックスが地球に迫っていることを知りますが、恐怖心に駆られて戦うことをためらってしまいます。
そんなハルを支えたのが、キャロルの言葉です。
キャロルは、恐怖を感じるのは誰しも同じだと語り、「恐怖に打ち勝つものは、勇気だ」と励まします。
これにより、ハルは自分の恐怖を乗り越え、戦う決意を固めます。
宇宙の戦士たちが地球を見捨てようとしている中、地球を守るために立ち上がります。
最終決戦と結末
最終決戦では、ヘクターがパララックスの力を使ってハルを罠にかけます。
しかし、ハルはその罠を打破し、ついにパララックスと対決します。
巨大化したパララックスは地球を脅かしますが、ハルは自らを囮にして、パララックスを太陽に引きずり込む作戦を決行します。
太陽の力を利用して、パララックスを倒すことに成功したハル。
しかし、戦いが終わった後、ハルは力尽き、そのまま太陽に飲み込まれそうになります。
そこで現れたのが、シネストロと仲間たち。彼らはハルを救出し、その偉業を宇宙全体に知らしめることになります。
ハルは地球に帰還し、キャロルに「これからはもっと出張が多くなる」と告げ、再び宇宙に飛び立つのでした。
映画「グリーン・ランタン」続編は出るか考察
「グリーン・ランタン」(2011年)は商業的に期待外れで、批評的にも評価が低かったため、続編の制作はかなり難しいと考えられていました。
特に映画の完成度やCGIの使い方、物語の深みといった面で批判を受けたことが影響を与えています。
ライアン・レイノルズの演技や一部のキャラクターには一定の評価がありましたが、全体としての興行収入は満足のいくものではなく、続編が制作されるには更なる魅力を提供する必要があります。
DCユニバースの再編と方向転換
現在、DCユニバースは新たな方向性を模索しており、ジェームズ・ガンがDCスタジオのトップに就任し、映画の世界観をリセットしようとしています。
このような再編成の中で、「グリーン・ランタン」のような既存のキャラクターが新たに登場する可能性は十分にあります。
例えば、「ザ・フラッシュ」や「アクアマン」など、DCの他のヒーローたちが新たなユニバースに組み込まれる中で、グリーン・ランタンが再登場する道も考えられます。
2023年に発表された「グリーン・ランタン・コープス」のテレビシリーズ(HBO Max制作予定)は、グリーン・ランタンに関連する新たな展開の一環として注目されています。
このシリーズでは、複数のグリーン・ランタンが登場し、宇宙での活躍が描かれる予定です。
映画とテレビシリーズの両方でグリーン・ランタンが復活する可能性があり、続編が映画として登場する前に、まずはこのシリーズが大きな役割を果たすかもしれません。
ライアン・レイノルズの再登場
ライアン・レイノルズは「グリーン・ランタン」でハル・ジョーダンを演じましたが、その後、他のスーパーヒーロー映画である「デッドプール」シリーズで大きな成功を収めました。
デッドプールというキャラクターのユニークな特性と、レイノルズの演技力が評価され続けています。
しかし、グリーン・ランタンの続編に関しては、レイノルズが再登場することに関しては少し疑問視される声もあります。
「グリーン・ランタン」を再び演じることに対してどう考えているかは不明ですが、過去のインタビューでは続編についての意欲を示すことは少なかったです。
もし続編が製作される場合、別の俳優が新しいグリーン・ランタンを演じる可能性もあります。
「ジャスティス・リーグ」の影響
「グリーン・ランタン」はDCユニバース内でジャスティス・リーグの一員として重要な役割を果たすキャラクターです。
今後、ジャスティス・リーグを再起動する際にグリーン・ランタンが重要な役割を担う可能性は高いです。
もし「ジャスティス・リーグ」や「グリーン・ランタン」を再度映画に登場させる計画が進めば、その過程でグリーン・ランタン単独の映画が製作される可能性も出てくるでしょう。
新たな監督やクリエイターの登場
映画の続編には新たな監督や製作陣が参加することがよくあります。
「グリーン・ランタン」の1作目で監督を務めたマーティン・キャンベルの後に、他の監督が新たな視点でグリーン・ランタンを描くことがあれば、そのストーリーがより魅力的に展開される可能性もあります。
また、デヴィッド・S・ゴイヤーが「グリーン・ランタン」を手がけたいという意向を示しているため、もし彼が関わることで新たな映画展開が生まれる可能性もあります。
映画「グリーン・ランタン」感想
正直言って、期待していたほどのインパクトはなかったというのが本音です。
ライアン・レイノルズ演じるハル・ジョーダンのキャラクターには悪くない部分もあったけど、全体的に物語がちょっと平凡だったかなと思いました。
まず、グリーン・ランタンというキャラクター自体が持っている「意志の力で宇宙を守る」という壮大な設定には魅力があるんですよね。
でも、映画内でその力をどう活かすのかがちょっと分かりづらかった。
特に、ハル・ジョーダンが最初のうちは全然使いこなせていないシーンが続くので、ちょっともどかしい気持ちになったんです。
それでも、彼が最終的に自分の恐怖に立ち向かって成長していくところは、まあ感動的だったし、ヒーローとしての成長を描くのは王道だよね。
ただ、敵キャラのパララックスの存在感が薄かったような気がします。
あんなに宇宙を恐怖で支配しようとしている大きな存在なのに、どうしてもその脅威が感じられなかったというか…ヘクターがパララックスに取り込まれて力を得ていく過程はちょっと面白かったんだけど、それでもメインの対立軸としては物足りない気がしました。
あと、映画の終盤でハルがパララックスと戦って太陽に引きずり込むシーンは、ちょっとしたアクションのクライマックスとしては悪くないけれど、それまでの物語の盛り上がりがもう少し欲しかったなというのが正直なところです。
キャロルとの恋愛要素も、正直あまり感情移入できなかったし、彼女がどれだけハルを支えようとしても、物語的には薄く感じてしまいました。
それでも、「グリーン・ランタン」が最終的に地球を救うために自ら犠牲になる決断を下すところは、ヒーローらしい瞬間ではあったので、そこは良かったなと思います。
ああいう犠牲的な行動って、ヒーロー映画では欠かせないポイントですよね。
まとめ
『グリーン・ランタン』は、ハル・ジョーダンという一人の男が、恐怖を乗り越え、成長していく姿を描いた映画です。
彼は最初、自信がなく、トラウマに囚われていましたが、仲間やキャロルの支えを受けて、最終的にはヒーローとして宇宙のために戦います。
この映画は、ただのスーパーヒーロー映画ではなく、自己克服と成長をテーマにした物語でもあります。
ライアン・レイノルズの演技も素晴らしく、彼が演じるハル・ジョーダンは、ユーモアを交えながらも、真剣に戦う姿が魅力的です。
また、アクションシーンや特殊効果も見ごたえがあり、視覚的にも楽しめる映画となっています。
『グリーン・ランタン』は、単なるアクション映画ではなく、心の葛藤や成長の物語がしっかりと描かれた作品です。
ヒーローものが好きな方だけでなく、成長物語を楽しみたい方にもおすすめの映画です。
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