映画『家族はつらいよ』は、2016年に公開された山田洋次監督によるコメディタッチのホームドラマです。
「男はつらいよ」シリーズで知られる山田監督の新たな挑戦として、現代の家族が抱える問題や絆を、ユーモアと感動を交えて描いています。
全体を通じて、家族とは何かを考えさせられる作品です。
この記事では、映画のあらすじ、ネタバレ、その感想や考察をお届けします。
また、映画の無料視聴方法についても紹介します。
映画「家族はつらいよ」解説
東京郊外で三世代が同居する平田家では、家族が日常を穏やかに過ごしていました。
しかし、平田家の主である周造(橋爪功)が妻・富子(吉行和子)の誕生日をすっかり忘れてしまったことをきっかけに、一枚の「離婚届」が家族全員を巻き込む大騒動を引き起こします。
さらに、次々と他の家族メンバーの問題も浮上し、家族全員が混乱の渦中に投げ込まれていきます。
離婚話を中心に開かれる緊急家族会議では、長女成子(夏川結衣)の家庭問題や、次男庄太(妻夫木聡)の結婚話などが持ち上がり、全員の悩みが明るみに。
物語のクライマックスでは、周造が突然倒れるアクシデントが起こり、家族全員が再び一つにまとまるきっかけとなります。
最終的には、周造と富子が互いの思いを再確認し、家族それぞれが自分の人生を見つめ直すことで物語は幕を閉じます。
キャスト
- 平田周造:橋爪功
- 平田富子:吉行和子
- 平田幸之助:西村雅彦
- 平田史枝:夏川結衣
- 金井成子:中嶋朋子
- 金井泰蔵:林家正蔵
- 平田庄太:妻夫木聡
- 間宮憲子:蒼井優
- 探偵事務所所長・沼田:小林稔侍
- 女将・かよ:風吹ジュン
- 平田謙一:中村鷹之資
- 平田信介:丸山歩夢
見どころ
映画『家族はつらいよ』の見どころを解説します。
この作品は山田洋次監督の手掛けたコメディ映画でありながら、現代社会の家族が抱えるリアルな問題をユーモアと温かさで描いています。
以下、注目すべきポイントをまとめます。
熟年離婚というテーマの斬新さ
結婚50周年を迎えた平田家の夫婦が、離婚をめぐって大騒動を繰り広げます。
離婚届をきっかけに家族全員が右往左往する様子は、どこか笑えるけれども、実際にどの家庭にも起こり得る身近な問題として共感を呼びます。
個性豊かなキャラクターと豪華キャスト
- 橋爪功さん演じる頑固な父親・周造と、吉行和子さん演じる穏やかな母親・富子のやり取りが特に秀逸。二人の微妙な掛け合いがユーモアを生み出します。
- 家族役のキャスト(妻夫木聡さん、蒼井優さん、西村まさ彦さんなど)がそれぞれの立場から問題に関わる様子も見どころです。
- 平田家の家族全員が、観客に「どこか自分の家族と似ている」と思わせるリアリティがあります。
山田洋次監督の人情味あふれる演出
家族の複雑な感情や、小さな衝突が巻き起こす大きな騒動を、あくまで温かい視点で描いています。
熟年離婚というシリアスなテーマを扱いながらも、観客をクスッと笑わせる巧みな演出が光ります。
“普通”の家族の日常が見せる普遍性
平田家はどこにでもいそうな一般家庭。それゆえに、観客は家族の姿に親近感を覚えます。
とくに、夫婦のすれ違いや親子間の価値観の違いといった現実的な問題を描きつつ、笑いや涙を誘う構成が見事です。
家族の絆を見つめ直すストーリー
物語を通じて、家族がバラバラになりそうで、それでも最後には絆を再確認する過程が描かれています。
「家族だからこそ難しい関係性」や「家族だからこそ与えられる安心感」に改めて気づかされる感動の展開が魅力です。
平田家以外のキャラクターも豊かに描かれる世界観
平田家を取り巻く近所の人々や友人たちの存在も、コミカルで物語に彩りを添えています。
どの登場人物も一面的ではなく、山田洋次監督ならではの温かみのある人物描写が楽しめます。
映画「家族はつらいよ」ネタバレ感想
映画『家族はつらいよ』は、一見軽いホームコメディに見えながらも、家族の深い部分に触れる感動的な作品でした。
私は鑑賞していて「家族ってこんなもんだよな」と思わず笑いながらも、自分の家族について改めて考えさせられました。
特に印象的だったのは、橋爪功さん演じる頑固な父親・周造と、吉行和子さん演じる母親・富子の関係性です。
富子が「離婚したい」と切り出すシーンは、コメディタッチで描かれているものの、その裏には長年の夫婦間のすれ違いや不満が見え隠れして、どこか胸がチクっとしました。
周造が最終的に富子に「ありがとう」と感謝の言葉を述べるシーンでは、じわっと涙が。
長年の積み重ねの中で、感謝の一言がいかに大切かを実感しました。
また、周造が富子だけでなく家族全員を巻き込んで問題を引き起こす姿は、「こんなお父さんいるよな」と思わず笑ってしまうほどリアル。
でも、それぞれの問題が解決していく中で、家族みんなが少しずつお互いを理解していくプロセスにほっこりしました。
映画の中で、次男の庄太(妻夫木聡)が結婚を考えている恋人を家に連れてくるシーンや、長女成子(夏川結衣)が離婚を考えて実家に帰ってくるシーンも、現代の家族ならではの問題がリアルに描かれていて共感しました。
それぞれのキャラクターが抱える悩みがバラバラに見えながら、最終的には家族全員で支え合う形になるのが、なんとも温かい気持ちにさせられます。
家族というものは、時に煩わしい存在でありながらも、やっぱりどこか安心できる場所なんだなと、この映画を観て改めて思いました。
普段はなかなか言えない「ありがとう」や「ごめんね」を、映画のキャラクターたちが代わりに言ってくれているような気がして、終わった後にはほっこりした気分で家族に電話したくなるような作品です。
『家族はつらいよ』は、コメディの中に心温まるメッセージが込められた素敵な映画でした。
家族の関係に悩む人や、少しでも自分の家族について考えたい人にはぜひおすすめしたい一本です!
映画「家族はつらいよ」泣けるポイント
映画『家族はつらいよ』には、コメディの要素が強い中でも、思わず涙がこぼれるような感動的なポイントがいくつもあります。
その「泣けるポイント」を挙げてみます。
周造が富子に感謝を伝えるシーン
長年連れ添った夫婦でありながら、感謝の言葉を口にしない周造が、富子に「今までありがとうな」と素直に伝える場面は、多くの人が涙を誘われるポイントです。
この一言に、夫婦の歴史や富子の気持ちへの理解が込められていて、感動的なクライマックスになっています。
家族の絆が浮き彫りになるシーン
家族が集まり、周造と富子の離婚問題について話し合う場面では、一人ひとりが自分の思いをぶつけながらも、結果的には家族としての絆が見えてきます。
特に、普段はすれ違いが多い家族が、問題を通じて少しずつお互いを理解し合う姿に、共感して泣けるという人が多いです。
周造の危機と家族の反応
周造が倒れる場面では、普段文句ばかり言い合っている家族が動揺し、彼の存在の大きさに気づく描写があります。
これが、家族の大切さや普段の当たり前のありがたさを痛感させてくれるシーンで、涙を誘います。
離婚届を破り捨てる富子の行動
富子が最終的に離婚届を破るシーンは、「家族としてもう一度やり直す」という決意が感じられ、観客に安堵感と感動を与えます。
周造への愛情がまだ残っていることが垣間見える瞬間で、心が温かくなります。
子どもたちの成長と未来
次男の庄太が結婚を決意して家を出ていく姿や、長女成子と夫泰蔵が仲直りする姿は、家族の中で一つの問題が解決し、それぞれが新たな一歩を踏み出すことを示しています。
これらの場面は、家族の成長を感じさせ、感慨深い気持ちにさせてくれます。
泣ける理由
この映画が泣けるのは、どの場面も観客自身の家族に重ね合わせやすいからです。
日常の些細なすれ違いや不満が積もりつつも、結局は大切な存在である家族。
その普遍的なテーマが、誰しもが共感できる感動を生んでいます。
映画『家族はつらいよ』は、「家族」というものを笑いと涙で描いた作品で、観終わった後に家族に感謝したくなるような一作です。
映画「家族はつらいよ」口コミ

コメディとして楽しめる場面も多いけれど、夫婦や家族のあり方を深く考えさせられる作品でした。特に、感謝を伝えるシーンには胸が熱くなりました。誰にでもある家族の悩みをユーモアを交えて描いていて、見終わった後に心がほっこりしました。

平田家の喧嘩やすれ違いが、私の家族そのもののようでした。コミカルに描かれていますが、現実的な問題が背景にあり、身につまされる思いがありました。それでも最終的に家族の温かさが伝わってきて感動しました。

全体的に笑いのテンポやテーマは良かったですが、終盤の展開が予測できてしまい、やや単調に感じました。もう少しひねりがあってもよかったかもしれません。

家族全員が一度に話し始めるシーンなど、リアルさを重視しているのかもしれませんが、少し騒がしすぎて疲れる部分がありました。もう少し抑えた演出でも良かったのではと感じました。

家族の喧嘩や和解の過程はリアルで共感できましたが、あまり印象に残るシーンは少なかったです。ただ、ほのぼのとした雰囲気で家族について考えるきっかけにはなりました。
まとめ
『家族はつらいよ』は、家族というテーマを軽快な笑いと深い感動で彩った、誰もが楽しめる映画です。
親世代や子世代のギャップ、熟年離婚問題など現代ならではの家族の問題を扱いながらも、最後には家族の大切さをしっかりと伝えてくれます。
観終わった後には、自分自身の家族について考え、感謝の気持ちが芽生えることでしょう。
この作品は、ただ観るだけでなく、家族と一緒に語り合いながら楽しむのにもぴったりの一本です。
ぜひこの機会にチェックしてみてください!
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