映画『モエカレはオレンジ色』の実写化に対する「ひどい」という声について、私なりの考えをまとめてみました。
実写化というものには、原作ファンの期待や想像が大きく影響するため、批判が多く出るのはある意味仕方ないことです。
それでも、今回はなぜこの映画が「ひどい」と言われているのか、その理由を掘り下げていきたいと思います。
映画「モエカレはオレンジ色」実写がひどいと言われる理由
実写化に対してよく耳にする批判の一つは「漫画の魅力を活かしきれていない」という点です。
『モエカレはオレンジ色』も少女漫画の王道を行く作品で、イケメン消防士と可愛い女の子というキャラクター設定が、元々多くのファンに愛されています。
この手の漫画が実写化されるときに問題となるのは、登場人物たちのビジュアルが原作と一致していないことです。
映画に登場する蛯原（主人公の彼氏）のイメージが、原作の彼と違うという意見が多いです。
原作の蛯原は、どこかクールで大人っぽいイケメン消防士。
彼のイメージを演じるのに必要なのは、甘さの中にどこかしら男らしさを感じさせる雰囲気。
それを実写化するときに、どうしても「可愛い」「無邪気」といった要素が強くなりがちで、ファンとしては「それじゃない感」がどうしても出てしまうんですよね。
特に、主演を務めた俳優さんが原作のイメージとズレていると、視覚的な違和感がどうしても強調されてしまうんです。
これが「ひどい」と感じられる原因の一つです。
キャラクターの不一致感
実写化映画でよくある問題の一つが、キャラクターと俳優のミスマッチです。
『モエカレはオレンジ色』の映画では、キャラクターと演技が原作の雰囲気を完全に再現できていないとの意見が多くあります。
特にヒロインの萌衣（めるる）役を演じた俳優さんに関して、原作ファンの期待とは少し違った印象を受けた人が多いようです。
萌衣は原作では、どこか大人しいけれど心優しい女の子で、ちょっとしたことでもドキドキしてしまうタイプ。
彼女の魅力は、少し内気で純粋な部分にあります。
しかし映画での演技では、そこが過剰に描かれているように感じる場面があり、かわいらしさが強調されすぎているという声も。
これが「キャラクターが違う！」という批判につながっています。
また、その他の登場人物についても、どうしても原作と比較してしまう部分があり、役者の演技やビジュアルがそれに合わないと「違和感」を感じてしまうんですよね。
映画が原作の雰囲気をそのまま再現することは難しいにしても、できるだけキャラクターの本質を伝えてほしいという気持ちがあるのは、ファンとして当然です。
ストーリー展開の不自然さ
映画版『モエカレはオレンジ色』のストーリー展開に対しても、少なからず批判の声があります。
原作漫画の中には、ちょっとしたドキドキ感や胸キュンシーンがたくさんありますが、映画でそれを表現する方法が少し過剰に感じられることがありました。
特に、消防士として活躍する蛯原のシーンがドラマチックに過ぎて、現実感を欠くと感じた視聴者が多かったようです。
たとえば、映画内で蛯原があまりにもヒーロー的な存在として描かれるため、消防士としての仕事や役割が過剰に強調されてしまって、逆に本来のキャラクター性が薄れてしまうのです。
現実的には、消防士だって普通の人間ですし、もっと地に足のついた描写が欲しいところ。
ヒーロー的な描写が多くなると、それが映画としてのリアリティを欠く原因になるんですよね。
過剰な胸キュンシーン
『モエカレはオレンジ色』は少女漫画ならではの、胸キュンシーンが満載の作品ですが、実写化することでこれが過剰に感じられたという意見もあります。
原作漫画では、ほんの少しの仕草や言葉が恋愛のドキドキ感を引き立てていましたが、映画ではそれを無理に誇張した結果、かえって違和感を覚えるシーンが目立ってしまいました。
たとえば、あの「王子様抱っこ」や急にキスをするシーンなど、少女漫画的な演出が強調されすぎて、現実的には少し不自然に感じることがあるんです。
映画で胸キュンシーンを描くのはもちろん大切ですが、過度に誇張しすぎると、かえってそのシーンが嘘くさくなってしまうことがあります。
このバランスを取るのが実写化における難しいところなんですが、あまりにも現実味が欠けてしまうと、観ている側としては「ちょっとやりすぎだな」と感じてしまうんですよね。
観客の期待とのギャップ
最後に、実写映画が「ひどい」と言われる理由には、原作ファンの期待とのギャップも大きな要因です。
漫画やアニメの実写化は、原作ファンにとってはどうしても理想と現実の違いが大きくなりがちです。
特に『モエカレはオレンジ色』のように、原作に忠実であることが求められる作品の場合、観客の期待は非常に高くなります。
その期待を超えることができないと、「ひどい」と評価されることが多くなるのです。
ファンとしては、やっぱり「原作に近い感じで映画を楽しみたい」という思いがあるので、その期待を裏切られると残念に感じるものです。
逆に言うと、そのギャップをどう埋めるかが映画制作側の大きな課題だったとも言えます。
映画「モエカレはオレンジ色」あらすじ
佐々木萌衣は、転校生として新しい学校に通い始めますが、クラスメートとうまく馴染めず、孤独な日々を送っていました。
そんなある日、学校の防災訓練で消防士の蛯原恭介と出会います。
蛯原はシャイで真面目な性格で、萌衣にとっては新鮮な存在でした。
蛯原との交流を通じて、萌衣は少しずつ前向きになり、学校生活にも変化が現れます。
しかし、二人の関係は順調に進むわけではなく、恋のライバルの出現など、さまざまな試練が二人を待ち受けています。
それでも、萌衣と蛯原はお互いの気持ちを大切にしながら、少しずつ距離を縮めていきます。
キャスト
映画『モエカレはオレンジ色』の主なキャストは以下の通りです。
蛯原恭介（えびはら きょうすけ） – 演：岩本照（Snow Man）
主人公の消防士で、シャイで真面目な性格。
ヒロイン・佐々木萌衣と恋に落ちます。
佐々木萌衣（ささき もえ） – 演：生見愛瑠（めるる）
学校では孤立しがちな女子高生。
蛯原と出会い、彼との恋愛が始まります。
姫野恒星（ひめの こうせい） – 演：鈴木仁
蛯原と同期の消防士で、物語において重要な役割を果たします。
風間慎一郎（かざま しんいちろう） – 演：上杉柊平
蛯原と同期の消防士で、ストーリーにおける蛯原の仲間です。
児嶋元気（こじま げんき） – 演：浮所飛貴（美 少年 / ジャニーズJr.）
蛯原の後輩消防士で、少しドジなキャラクター。
新堂一馬（しんどう かずま） – 演：古川雄大
蛯原の先輩消防士で、物語において重要な助言者となります。
三鷹柊人（みたか しゅうと） – 演：藤原大祐
萌衣のクラスメイトで、彼女の恋の悩みを聞いてくれる友達。
桐谷紗弓（きりたに さゆみ） – 演：永瀬莉子
萌衣の親友で、彼女の恋愛を支えます。
四宮花純（しのみや かすみ） – 演：高月彩良
7年前に事故で亡くなった蛯原の元恋人。蛯原の心に深い影響を与える人物。
ちよみ – 演：笛木優子
萌衣の母親で、家庭でのサポート役。
映画「モエカレはオレンジ色」ネタバレ感想
感じたのは、やっぱりこの映画は「甘酸っぱい青春ラブストーリー」が好きな人にはぴったりだということです！
だって、消防士というちょっと特別な職業に就いている蛯原と、ぼっち気味な女子高生・萌衣という組み合わせが、なんとも言えないドキドキ感を生み出してくれて。
蛯原が真面目でシャイなところが萌衣との関係にぴったりで、最初はお互いに少し距離があったけど、だんだんと心を開いていくのがすごく良かった。
特に、蛯原が萌衣を守ろうとするシーンはキュンとしましたね！
消防士としての強さだけでなく、彼女を大切に思っている気持ちが伝わってきて、それがすごくリアルで感動的でした。
でも、やっぱり映画として描かれるシーンの中には、ちょっと現実感が欠ける部分もありました。
特に、蛯原が過剰にヒーロー的な存在として描かれているところ。
例えば、大火事を救うシーンとか、ちょっと映画っぽすぎてリアル感が薄れちゃったな、と思った瞬間もありました。
漫画ではあんなに普通に恋愛しているのに、映画だとどうしてもそのドラマチックな演出が強調されちゃうんですよね。これが賛否分かれる部分だと思います。
また、萌衣のキャラクターも最初はちょっと「うーん」って思った部分も。
彼女が周りに馴染めない気持ちとか、蛯原に少しずつ心を開いていく過程は共感できたんですけど、時折、ちょっとおせっかいに見えるところもありました。
でも、その不器用さが逆にリアルで、素直に応援したくなった部分もありましたよ。
ネタバレですが、最後に蛯原が「君を守りたい」と言うシーンは、本当に感動しました。
消防士としてではなく、一人の男性として、萌衣を守りたいっていう気持ちが伝わってきて…あんなにシンプルな言葉なのに、胸が熱くなりました。
それと、蛯原の過去が明かされるシーンも印象的でした。
亡くなった恋人のことを引きずっている彼の姿には、思わず心が痛んだし、彼が萌衣に対して抱く気持ちがすごく深くて複雑だってことが伝わってきました。
彼が萌衣を守ろうとする理由も、それに絡んでいるので、すごく切なくてでも温かい気持ちになれたんです。
とはいえ、やっぱり原作との違いが気になっちゃう部分もありました。
特に、キャストに関しては、蛯原役の岩本照さんが少しクールすぎて、漫画の「イケメン消防士」というイメージとは少し違うかな…と思うところも。
でも、演技はしっかりしていたので、最終的には納得しました。
全体的には、映画として十分楽しめる内容だったし、恋愛ものが好きな方にはおすすめできる作品だと思います。
もちろん、現実感に欠ける部分や過剰な演出もありますが、それを気にせずに、純粋な恋愛映画として心温まる瞬間を楽しむのが一番かな、と感じました。
もしこれから観る予定の方がいれば、少しドキドキして、でもほっこりした気分になれる映画だと思うので、ぜひ観てみてください！
まとめ
『モエカレはオレンジ色』の実写化に対する批判は理解できる部分もありますが、それでも映画として見たときには十分楽しめる部分も多いと感じました。
やっぱり実写化って、どんなに良い出来でも原作ファンの期待を完全に超えることは難しいですよね。
それでも、映画として別の魅力を持っている部分も確かにあります。
批判がある一方で、原作ファンでなくても楽しめる作品にはなっていると思うので、映画として新たなアプローチがされた部分も含めて、評価すべき点も多いかなと思いました。
結局、映画は映画として独自の魅力があるものですから、原作との違いを楽しむのもひとつの観方かもしれません。
どちらにしても、映画を通して原作の魅力を再確認できたことは、良かったなと思います。
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