映画「ハウス・オブ・グッチ」は2021年11月にアメリカで公開され、日本では2022年1月14日に全国ロードショーとなりました。
公開前から、レディー・ガガの新たな代表作になると話題になり、ファッション好きだけでなく、サスペンス好き、ドラマ好きといった幅広い層の注目を集めました。
映画「ハウス・オブ・グッチ」は、ただのファッションブランドの話じゃありません。
そこには華やかな表舞台の裏で、壮絶な愛憎劇が静かに、でも確実にうごめいていました。
見終わったあと、私はしばらく呆然としてしまいました。
だって、あんな結末、誰が予想できたでしょうか。
映画「ハウス・オブ・グッチ」解説
この作品を手がけたのは、名匠リドリー・スコット監督です。
「グラディエーター」や「ブレードランナー」など数々の名作を生み出してきた巨匠が、ファッション界の光と闇をリアルに描きました。
重厚な演出と、きらびやかな映像美が絶妙に溶け合っています。
主演を務めたのはレディー・ガガ。
パトリツィア・レッジャーニを演じるために、イタリア訛りを完璧に身につけ、役になりきったその迫真の演技は、多くの批評家からも高い評価を受けました。
マウリツィオ・グッチ役にはアダム・ドライバー。
静かに崩壊していく男の姿を、繊細に、時に圧倒的な存在感で演じきっています。
そのほかにもアル・パチーノ、ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズといった名優たちが脇を固め、グッチ一族の複雑な人間模様に深みを与えていました。
「ハウス・オブ・グッチ」の原作は、サラ・ゲイ・フォーデンが執筆したノンフィクション小説『ザ・ハウス・オブ・グッチ』です。
実際に起こったグッチ一族の内部抗争、そしてマウリツィオ・グッチ暗殺事件を綿密な取材でまとめあげた一冊となっています。
映画はこの原作をベースに、70年代から90年代にかけてのグッチ家の栄枯盛衰をドラマティックに描きました。
特にパトリツィアの視点を通じて物語が進行していくため、単なるドキュメントではなく、登場人物たちの情熱や嫉妬、絶望が肌で感じられる仕上がりになっています。
映画「ハウス・オブ・グッチ」あらすじ・ネタバレ
物語は1970年代のイタリア・ミラノから始まります。
地味な運送会社で経理を手伝っていたパトリツィア・レッジャーニが、とあるパーティで運命的な出会いを果たしました。
目の前に現れたのは、あのGUCCI創業者一族の血を引くマウリツィオ・グッチ。
最初はお互い少し距離を取りながらも、惹かれあうのに時間はかかりませんでした。
パトリツィアはグッチ一族への憧れなんてなかったと語ります。
でも、実際には彼の名門出自が無意識に心をとらえていたのかもしれませんね。
出会ってからのパトリツィアの押しの強さは、まるで獲物を狙うハンターのようでした。
やがてマウリツィオはパトリツィアを父ロドルフォに紹介しますが、歓迎ムードとはほど遠いものでした。
ロドルフォは即座にパトリツィアを警戒します。
まるで彼女の魂を透かし見るかのような厳しい視線を向け、2人の交際に猛反対しました。
でも、愛は障害を越えるのでしょうか。
2人はグッチ家の祝福を得ないまま結婚式を挙げます。
そのシーン、私は思わず胸が締めつけられました。
豪華な式場でも、家族のいない結婚式って、あんなにも空虚に映るものなんですね。
一族の中で膨れ上がる欲望と裏切り
結婚後、マウリツィオはパトリツィアの実家の運送業を手伝う生活に入ります。
GUCCIの後継者という立場を自ら手放してしまったのです。
でも、パトリツィアには満足できない世界だったのでしょう。
占い師ピーナの助言を受けながら、少しずつマウリツィオをグッチ家のビジネスに引き戻していきます。
このあたりから、物語の空気がどんどん濁り始めます。
ニューヨークに引っ越し、アルド・グッチと組んでビジネスを拡大していくふたり。
しかしパトリツィアの内には、「もっともっと」という欲望がふつふつと沸き上がっていました。
出産し、娘アレッサンドラを得たことで、さらに「グッチの財産はすべて手に入れなきゃ」という意識が強まったのかもしれません。
アルドの不器用な息子パオロ・グッチにも目をつけ、失脚させるためにあらゆる手段を使いました。
パオロはただ自由にデザインを楽しみたかっただけだったのに、世間知らずな言動が裏目に出て、親族からも煙たがられてしまいます。
哀れとしか言いようがありませんでした。
父ロドルフォの死
そして運命の歯車はさらに加速していきます。
父ロドルフォの死後、株の相続問題が持ち上がり、財務警察の捜査も入る騒ぎへ。
マウリツィオの元にはスイス逃亡という選択肢しか残されず、心の支えを求めてパオラ・フランキという旧友と再会します。
やがてふたりは愛人関係へと発展。
かつてあれだけ愛し合ったパトリツィアとの間には、もう何も残っていませんでした。
このあたり、観ていて本当に苦しかったです。
なんでこんなにも簡単に、人は裏切れるんだろう、と。
崩壊の果て
スイスに残ったマウリツィオは、再びビジネス界へ本格復帰を果たします。
ネミールという投資家と組み、GUCCIの完全掌握を目論みますが、そこに待っていたのは仲間たちの裏切りでした。
ドメニコ・デ・ドーレも、パトリツィアが恐れていた通り、密かに背中を向けていたのです。
トム・フォードという若き才能を迎え、ブランドの再生を図るものの、個人財産の浪費は止まらず、GUCCIの運命も風前の灯火となっていきます。
そんな中、パトリツィアはピーナの協力を得て、最終的な決断を下しました。
マウリツィオ殺害を依頼するという、取り返しのつかない道へ足を踏み出したのです。
1995年3月27日。
カフェから出てきたマウリツィオは、静かに近づいてきた殺し屋に至近距離で撃たれました。
あまりにもあっけない、でも避けがたかった瞬間だったのでしょう。
観客席からは悲鳴すら上がりませんでした。
私も息を呑んだまま、目が離せませんでした。
その後、パトリツィアは逮捕され、法廷に立たされます。
裁判官から名前を呼ばれたとき、パトリツィアは毅然と答えました。
「シニョーラ・グッチと呼びなさい」
この一言に、彼女の誇りと執念がすべて詰まっていました。
どんな罪に問われようと、GUCCIの名前は絶対に手放さない。
そう宣言するかのようなその態度に、鳥肌が立ったのを覚えています。
懲役29年という判決を受け、すべてを失ったパトリツィア。
でも心の中では、いまだにグッチ一族の一員であると信じていたのでしょう。
あの虚ろな笑みが、今でも脳裏に焼き付いています。
映画「ハウス・オブ・グッチ」感想
「ハウス・オブ・グッチ」を初めて観たとき、正直なところ、ただのオシャレ映画なんだろうなって思っていました。
グッチって聞くだけで、きらびやかなブランドのイメージが強いじゃないですか。だから、ド派手なファッションショーとか、セレブたちの優雅な暮らしを楽しむ感じかな〜って、軽い気持ちで劇場に向かったんです。
でも、そんな予想は開始10分でぶっ飛びました。
物語が進むにつれて、どんどん胸がザワザワしてきたんですよね。
美しい服や豪華な家は確かに目の保養だったんだけど、それ以上に、人間関係のドロドロ感がリアルすぎて、観ているこっちまで疲れてしまうくらい。
「うわ、こんなに愛が憎しみに変わるのって怖いな…」って、何度も心の中でつぶやいていました。
特にパトリツィアが変わっていく姿には、目を離せませんでした。
最初は純粋にマウリツィオに惹かれているように見えたのに、次第に「グッチ」の名前に執着し始めて、どんどん人が変わっていく感じがものすごくリアル。
レディー・ガガの演技がうますぎて、「これはパトリツィア本人じゃないか?」と錯覚する瞬間が何度もありました。
そして、マウリツィオ。
冷静で優しそうに見えたのに、立場が変わるとあんなにも冷たくなれるものなんだなって。
人間って立場やお金でこんなに変わるんだって、改めて痛感しました。
どちらが正しいとか、どちらが悪いとか、そんな単純な話じゃないところが、またリアルでズシッときたんですよね。
ラストシーンに近づくにつれて、どんどん息苦しくなっていって。
「ああ、もう誰も幸せじゃない…」って、心の中で何度もため息をつきました。
それでも目が離せなかった。ラストまでしっかり引き込んでくるあの重さ。
観終わった後、しばらく席を立てなかったのは、本当に久しぶりの体験でした。
もちろんファッションもめちゃくちゃカッコよかったです。
70〜90年代のイタリアの空気感とか、衣装とか、細部までこだわりがすごくて。
ただ単に「おしゃれ〜!」って楽しむ映画じゃないけど、だからこそ「ハウス・オブ・グッチ」は忘れられない一本になりました。
帰り道、ふと「もし自分がこの物語の中にいたら、どうなっていたかな」なんて考えたりもして。
たぶん、あの世界では生き残れないなぁ、なんて苦笑いしながら電車に揺られて帰った夜のこと、今でもよく覚えています。
映画「ハウス・オブ・グッチ」無料視聴の方法
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まとめ|ハウス・オブ・グッチが描いたもの
「ハウス・オブ・グッチ」は、単なるブランドの裏側を暴く作品じゃありませんでした。
そこに映っていたのは、人間の欲望、愛、裏切り、そして救いようのない孤独でした。
どんなに金や名声を手にしても、心が満たされなければ、人は破滅へと突き進んでしまうのかもしれません。
それを痛いほど感じさせてくれた映画でした。
正直、観る前はもっとファッショナブルな映画を想像していました。
でも実際は、泥臭く、生々しく、そしてあまりにも切ない物語。
だからこそ、多くの人にこの映画を知ってほしいと思います。
一度観ると、もうGUCCIという名前が、ただのおしゃれブランドには見えなくなってしまうでしょう。
「ハウス・オブ・グッチ」、ぜひ心して観てくださいね。
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