「ストロボ・エッジ」は、咲坂伊緒さんによる人気少女漫画で、ピュアな恋愛模様が多くの読者の心をつかみました。
そんな名作が実写映画化されたことで、大きな話題となりましたが、映画を観た原作ファンからは「ひどい」「違和感がある」といった声も多く聞かれました。
なぜ、実写版「ストロボ・エッジ」は厳しい評価を受けてしまったのでしょうか。
キャスティングの違和感、重要なシーンの省略、恋愛映画としてのときめき不足など、原作との違いを詳しく見ていきながら、その理由を考えていきます。
映画「ストロボ・エッジ」実写ひどい?原作との違いは?
「ストロボ・エッジ」が実写映画化された際、多くのファンが期待を寄せていましたが、鑑賞後には「ひどい」「原作と違う」という声が多く聞かれました。
その理由について、原作との違いを中心に詳しく考えていきます。
キャスティングの違和感
映画化が決まると、まず注目されるのがキャストです。
有村架純さんが仁菜子役、福士蒼汰さんが蓮役を演じることが発表され、大きな話題となりました。
しかし、原作のイメージと異なる部分が多く、特に蓮の雰囲気については賛否が分かれました。
原作の蓮は、クールで寡黙ながらも優しさがにじみ出るキャラクターです。
しかし、映画では「ただの無口な人」に見えてしまうという意見が多くありました。
また、福士蒼汰さんのセリフが小声で聞き取りにくかった点も不満の要因となっています。
仁菜子役の有村架純さんについても、イメージが少し違うと感じた原作ファンがいました。
仁菜子は、天然で素直な性格が魅力ですが、映画では少し落ち着きすぎていて、原作の天真爛漫な雰囲気が薄れていたという意見があります。
重要なシーンの省略と改変
原作には、恋愛の機微を丁寧に描いた名シーンが多くあります。
しかし、映画では時間の都合もあり、いくつかの重要なシーンが削られていました。
例えば、仁菜子が蓮を意識し始めるきっかけとなるシーンがあっさりしていたり、蓮の気持ちが徐々に変化していく過程が丁寧に描かれていなかったりする点が挙げられます。
これにより、原作ではじっくりと育まれる恋心が、映画では急ぎ足で進んでしまい、感情移入しにくくなっていました。
また、真央のキャラクターについても、原作ファンからは不満の声がありました。
原作では明るく活発な印象ですが、映画ではその魅力が十分に伝わらなかったという意見が多く聞かれます。
セリフの聞き取りにくさ
映画を観た人から特に多く聞かれたのが、「セリフが聞き取りにくい」という感想です。
特に蓮のセリフはボソボソとしていて、何を言っているのかわかりにくかったという意見が目立ちました。
クールで口数が少ないキャラクターを意識した演技だったのかもしれませんが、映画として観たときに視聴者に伝わりにくいのは問題です。
少女漫画原作の映画では、キャラクターの感情がしっかり伝わることが重要なので、もう少し表情や声のトーンで気持ちを表現してほしかったという意見が多くありました。
恋愛映画としてのときめき不足
少女漫画が原作の実写映画において、もっとも重要なのは「胸がときめくかどうか」です。
しかし、「ストロボ・エッジ」の映画版では、そのときめきが足りなかったと感じる人が多かったようです。
原作では、ちょっとしたやりとりや視線の交差だけでもドキドキするような演出がされています。
しかし、映画版では恋愛の進展が淡々としていて、感情が盛り上がるシーンが少なかったように感じます。
特に、蓮が仁菜子に惹かれていく過程があまり伝わってこなかったため、クライマックスの告白シーンの感動が薄れてしまったという意見が多くありました。
衣装やビジュアルの違和感
映画の登場人物が着ている衣装についても、不満の声がありました。
特に、蓮の制服姿や普段着が「原作と比べてダサい」「もっとおしゃれにしてほしかった」と感じる人が多かったようです。
原作では、蓮はシンプルながらもスタイリッシュな印象のキャラクターです。
しかし、映画版ではあまり洗練された雰囲気がなく、普通の高校生という印象が強くなっていました。
リアリティを重視したのかもしれませんが、漫画の世界観を大事にしてほしかったという声が多く聞かれました。
原作ファンにとっての実写化の難しさ
「ストロボ・エッジ」に限らず、人気漫画の実写化には、原作ファンの期待と映画の制約の間で、難しいバランスが求められます。
漫画では何巻にもわたって丁寧に描かれる恋愛の進展を、限られた映画の尺の中で表現するのは難しいことです。
しかし、それでも原作の魅力を残しつつ、映画として楽しめる作品にするためには、脚本や演出にもっと工夫が必要だったのではないかと感じます。
また、キャスティングについても、原作のイメージに合う俳優を選ぶことは大事ですが、それだけではなく、役に合わせた演技や演出が求められることを改めて考えさせられる作品でした。
映画として楽しめる要素
ここまで厳しい意見を中心に紹介してきましたが、映画として楽しめる要素ももちろんあります。
有村架純さんの透明感のある演技や、美しい映像は評価されていましたし、原作を知らない人にとっては純粋な青春映画として楽しめたという声もあります。
また、原作の雰囲気を完全に再現するのは難しいかもしれませんが、映画には映画の良さがあります。
少女漫画の実写化に求められることは、原作ファンだけでなく、初めて触れる人にも楽しんでもらえる作品にすることです。
その点では、映画「ストロボ・エッジ」は課題もありつつ、青春のもどかしさを描いた作品として一定の魅力はあったと言えます。
映画「ストロボ・エッジ」 あらすじ・キャスト
高校1年生の木下仁菜子は、恋愛経験がないまま日々を過ごしていました。
ある日、帰宅途中の電車で、学校中の女子から人気を集める同級生・一ノ瀬蓮と出会います。
少しずつ会話を交わすようになり、冷たそうに見える蓮の優しさや笑顔に触れるうち、仁菜子は初めて恋心を抱くようになります。
しかし、蓮には中学時代から付き合っている年上の彼女・麻由香がいました。
それでもなお、仁菜子は自分の想いを伝えようとしますが、蓮からは振られてしまいます。
その後も仁菜子の想いは募る一方で、周囲の人々の恋愛模様も交錯し、切ない片思いが描かれています。
キャスト
- 一ノ瀬蓮:福士蒼汰
- 木下仁菜子:有村架純
- 安堂拓海:山田裕貴
- 是永麻由香:佐藤ありさ
- 是永大樹:入江甚儀
- 杉本真央:黒島結菜
監督は「100回泣くこと」などの作品で知られる廣木隆一さんが務めています。
音楽は世武裕子さんが担当し、原作の雰囲気を大切にした映像美と音楽が特徴的です。
映画「ストロボ・エッジ」ネタバレ感想
原作のファンとして期待していた部分もあれば、「ちょっと違うな…」と思った部分もありました。
映画ならではの良さもあったので、いいところも微妙だったところも含めて、正直な気持ちを語っていきます。
「ストロボ・エッジ」は、切ない片思いや淡い恋心が魅力の作品ですが、映画もその雰囲気をちゃんと再現しようとしていたのは伝わってきました。
映像が全体的に柔らかい雰囲気で、夕暮れのシーンや教室の風景が綺麗だったのは良かったです。
特に仁菜子が蓮に恋をしていく過程が丁寧に描かれていたのは、個人的に好きなポイントでした。
また、音楽もすごく優しくて、シーンを引き立てていたと思います。
派手な演出はないけど、じんわりとくる感じがあって、作品の世界観には合っていた気がします。
キャストは発表されたときから「どうなんだろう?」と思っていたけど、実際に観てみると、やっぱりちょっと違和感がありました。
まず、仁菜子役の有村架純さんは、透明感があって雰囲気はすごく合っていたと思います。
優しいけど芯がある感じが伝わってきて、個人的には違和感はあまりありませんでした。
ただ、原作の仁菜子はもう少し天然で素直すぎるところが魅力だと思うので、映画ではその可愛らしさが控えめだったかなという印象です。
蓮役の福士蒼汰さんは、ビジュアル的にはイメージが近いかなと思ったけど、演技が少し淡々としていて、もう少し感情が見えたらよかったなと感じました。
蓮はクールだけど、ところどころで見せる優しさや、少しずつ仁菜子に惹かれていく繊細な感情が魅力なので、映画ではその変化がちょっとわかりにくかったかなと思います。
特に、蓮のセリフが全体的に小声すぎて、聞き取りにくかったのも残念でした。
安堂役の山田裕貴さんは、原作とはちょっと雰囲気が違うけど、意外とハマっていたと思います。
チャラいけど優しい感じが伝わってきて、仁菜子への想いがちゃんと伝わる演技だったのが良かったです。
原作との違いが気になった部分
やっぱり、原作と比べると「ここが違う!」と気になる部分がいくつかありました。
一番大きいのは、物語の進み方がかなり駆け足だったことです。
原作では、仁菜子が蓮に恋をして、でも蓮には彼女がいて…と、じっくりと恋愛が進んでいく感じがあったけど、映画ではそこがかなりあっさりしていました。
特に、蓮が仁菜子に惹かれていく過程があまり描かれていなかったので、後半になって突然「好きになったのかな?」という感じになってしまったのがもったいなかったです。
原作の蓮は、仁菜子と関わるうちに少しずつ気持ちが揺れ動く様子が細かく描かれていたので、もう少しその部分があれば、もっと感情移入できたのになと思いました。
また、真央や大樹といったサブキャラの描写が少なかったのも少し残念でした。
原作では、仁菜子の友達もそれぞれの恋愛があって、恋愛だけじゃなく友情の部分も魅力のひとつでした。
でも、映画ではあまり深く描かれていなかったので、仁菜子と蓮の関係以外の部分が薄くなっていた気がします。
少女漫画の実写映画って、「このシーン、最高にときめく!」っていう場面があると、それだけで満足感が出たりするんですが、「ストロボ・エッジ」の映画では、そういう胸キュンシーンが少なかったように感じました。
たとえば、蓮が仁菜子を優しく見つめるシーンとか、さりげなく助けてくれるシーンとか、そういう「恋に落ちる瞬間」がもっと丁寧に描かれていたらよかったなと思います。
原作には、そういうキュンとする場面がたくさんあるので、映画でももう少し演出に力を入れてほしかったところです。
映画として観ると、映像が綺麗で、青春の雰囲気はよく出ていたと思います。
ただ、原作が好きな人にとっては、キャラクターの掘り下げや恋愛の進み方が物足りなく感じるかもしれません。
特に、蓮の心情の変化がわかりにくかったのと、仁菜子のまっすぐな可愛さがもう少し強調されていたら、もっと感情移入しやすかったのになと思いました。
とはいえ、映画を観たことで改めて原作の良さを感じたり、青春の甘酸っぱさを思い出したりすることができたのは良かったです。
もしかすると、原作を知らない人が観れば、純粋な恋愛映画として楽しめるのかもしれません。
まとめ
映画「ストロボ・エッジ」は、原作と比べると違いが多く、特にキャスティングやシーンの省略、恋愛要素の薄さが不満の原因となっていました。
原作ファンにとっては物足りなさを感じる部分が多かったものの、映画としての魅力もありました。
実写化の難しさを改めて感じる作品ではありましたが、この映画をきっかけに原作に興味を持つ人もいるかもしれません。
少女漫画の実写映画には賛否がつきものですが、今後も原作の良さを活かした作品が増えていくことを期待したいです。
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