映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、岡田准一が主演を務めるアクション映画で、原作は南勝久による漫画『ザ・ファブル』です。
伝説的な殺し屋が、ボスの命令で1年間「殺し」を禁じられ、一般人として生活しながらも、再び裏社会の戦いに巻き込まれていく姿が描かれています。
今回は、この映画のあらすじ、登場人物、ネタバレを含めた感想などを親しみのある文章でお届けしたいと思います。
映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」解説・キャスト
『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、岡田准一が演じる「ファブル(佐藤アキラ)」という伝説の殺し屋が主人公の物語です。
裏社会でその名を知らぬ者はいないほどの存在ですが、ある日、ボスから「1年間誰も殺すな」という命令を受けることになります。
これによって、彼は一般人として生活を始めることに。相棒のヨウコ(木村文乃)とともに、普通の人間として生きることに不安や困難を感じながらも、新たな日常を送ることになります。
しかし、ファブルが普通の人間として生活する一方で、物語は裏社会での陰謀や闇が絡み合いながら展開していきます。
ファブルの過去に関わる人物たちが登場し、彼の命を狙う者たちが次々に現れる中で、ファブルはどう立ち向かうのか。
その中で描かれる人間ドラマやアクションシーンが、この映画の大きな魅力となっています。
ファブル / 佐藤アキラ(岡田准一)
岡田准一が演じるファブル(佐藤アキラ)は、裏社会でその名を轟かせる伝説的な殺し屋。
冷静で計算高い性格で、任務を完璧にこなす彼が、ある日ボスから「1年間誰も殺すな」という命令を受け、一般人として生活することに。
岡田准一はそのアクションシーンに加え、日常生活での不器用でコミカルな一面も見せ、役柄の幅広さを見事に表現しています。
ファブルが普通の人間として生活しているシーンでは、彼の人間らしさや、過去との向き合い方が際立ちます。
ヨウコ(木村文乃)
木村文乃が演じるヨウコは、ファブルの相棒であり、彼の「妹」として共に生活を送りながら、彼を支える重要な存在です。
ヨウコは冷静で賢く、普段は落ち着いた態度を取ることが多いですが、その酒豪な一面もあり、ファブルとのやりとりにユーモアを加えています。
彼女がファブルの生活にどう関わっていくのかは、映画の中で重要なポイントです。
木村文乃の柔らかい演技が、ファブルとのコンビネーションを生み出し、作品に温かみを与えています。
ミサキ(山本美月)
山本美月が演じるミサキは、ファブルが新たに出会う人物で、普通の学生として生活しながらアルバイトをしている善良な女性です。
彼女はファブルに対して特別な感情を抱くことなく、彼が助けを必要としている時に自然に手を差し伸べます。
ミサキの存在は、ファブルにとって非常に大きな支えとなるだけでなく、物語に優しさと希望をもたらしています。
山本美月の透明感のある演技が、ミサキというキャラクターの純粋さを引き立てています。
宇津帆(堤真一)
堤真一が演じる宇津帆は、表向きはNPO法人を運営し、子供たちを守る善人として社会貢献をしている人物ですが、その裏では子供たちを命を奪うという恐ろしい行動を取っている二面性を持つキャラクターです。
宇津帆はファブルに対して強い恨みを抱き、過去に彼を殺された弟の復讐を果たすべく、ファブルを狙います。
堤真一はその冷徹さと、表面の優しさを使い分け、恐ろしい人物をリアルに演じています。
映画の中で彼が果たす役割は、ファブルとの対決を引き起こす重要な要素となっています。
鈴木(安藤政信)
鈴木は、宇津帆が雇った殺し屋として登場するキャラクターです。
ファブルを暗殺するために仕掛けてくる人物で、ファブルとの激しい戦いが繰り広げられます。
鈴木は冷徹で強力な殺し屋であり、ファブルとの戦いではその能力が試されます。
登場によって、物語はアクションのスリルを加速させ、ファブルの戦闘力が際立つシーンが続きます。
映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」あらすじ・ネタバレ
『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、裏社会で名を馳せる伝説の殺し屋・ファブル(佐藤アキラ)が主人公のアクション映画です。
ファブルは、冷徹で完璧な暗殺者として知られ、どんな仕事も見逃しません。
彼には、ボスから1年間「誰も殺さない」という命令が下ります。
これにより、彼は一般人として普通の生活を送らなければならなくなります。
ファブルは相棒のヨウコ(木村文乃)と共に「佐藤アキラ」と名乗り、普通の人間として生活を始めます。
しかし、その頃から彼を狙う者たちが現れます。
NPO法人の代表であり、善人の顔を持つ宇津帆(堤真一)は裏では少年少女を無惨に殺害しており、ファブルに恨みを抱いています。
実は、宇津帆の弟もかつてファブルに命を奪われており、その復讐を果たすべくファブルを追い詰めます。
一方、ファブルは普通の生活を送りながらも、自分の過去と向き合い、無力感に苛まれる日々が続きます。
そして、ファブルがかつて救うことができなかった少女が登場し、彼の心に新たな決意を生むことになります。
ネタバレ
映画のラストでは、ファブルと宇津帆、そして彼が雇った殺し屋との壮絶な戦いが繰り広げられます。
ファブルは、過去に自分が関わった暗殺の世界を完全に捨てる決意を固め、最後の戦いに臨みます。宇津帆との対決では、ファブルの冷徹さと彼の成長した人間らしさが見事に描かれます。
宇津帆の裏の顔を暴くことで、ファブルは彼を追い詰めることができるものの、その過程で自身が守るべきもの、救いたい命について再認識します。
物語は、ファブルが自分の正義を貫こうとする姿勢と、過去の罪を背負いながらも前向きに生きる意志を強調します。
ラストシーンでは、ファブルが「殺さない殺し屋」としての新たな道を歩むことを決意し、次のステップに進む姿が描かれます。
映画のテーマは、過去の罪をどう受け入れ、どのように前に進んでいくかということです。
ファブルの人間的成長と、彼の心の葛藤を描いたこの作品は、アクション映画としてだけでなく、心の奥底に響くメッセージも込められています。
映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」ひどいのか考察
映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』が「ひどい」と感じられるかどうかについて、さまざまな視点から考察してみましょう。
キャラクター描写の問題
『ザ・ファブル』は、もともとコミック原作の作品であり、ファブルというキャラクターはその冷徹な性格と完璧な暗殺者としての魅力が特徴です。
しかし、映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』では、ファブルが1年間の「殺さない」という約束を守ることで、普通の人間として生活を強いられる設定になっています。
この変化が一部の観客には「キャラクターの変質」として受け取られ、「ファブルらしさ」が失われたと感じられるかもしれません。
映画の中でファブルは、過去の暗殺者としての冷徹な面と、一般人としての普通の生活を送る面のギャップが強調されます。
これがある意味では物語に深みを与えているものの、キャラクターの一貫性を求めるファンにとっては「ひどい」と感じる可能性もあります。
特に、ファブルがあまりに人間らしくなりすぎて、暗殺者としてのスリルや緊張感が失われてしまう場合もあります。
ストーリーの展開
『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』のストーリーは、善悪を逆転させるような展開が多く、特に宇津帆(堤真一)のキャラクターが重要な役割を果たします。
彼はNPO法人の代表という善人の顔を持ちながら、裏では少年少女を無惨に殺しているという二重性を持っています。
この設定が一部の観客にはやや強引に感じられ、物語に不自然さを感じさせることもあります。
また、ファブルの過去の事件や、彼を狙う新たな敵という要素が盛り込まれていますが、これらがややテンプレート的に感じられたり、無理に過去の設定を引きずりすぎていると感じられる場合もあるかもしれません。
この点が「ひどい」と感じる部分かもしれません。
アクションシーンのクオリティ
『ザ・ファブル』シリーズはアクション映画としての魅力が大きな要素ですが、映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』のアクションシーンはやや期待外れだったという声もあります。
特にファブルが殺し屋としての技術を使わないシーンが多く、ファンが期待していたような激しい戦闘やアクションが少ないという点が不満に感じられることがあります。
また、アクションシーンが単調であり、スリルや緊張感が足りないと感じる観客もいるでしょう。
アクション映画としては、もう少しテンポ良く、引き込まれるようなシーンが欲しかったと感じられる部分があるかもしれません。
映画全体のテンポとバランス
『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、アクションと人間ドラマが交錯する作品ですが、ストーリーテンポがゆっくりであるため、観客によっては退屈に感じることもあります。
特に、ファブルが「普通の人間」として生活するシーンが多く、アクション映画としてのスリルが薄れてしまうため、物語の進行がスムーズでないと感じられるかもしれません。
さらに、キャラクター同士の関係性に重点を置きすぎて、全体的に展開が遅く感じられる部分もあります。
この点が「ひどい」と評価される理由かもしれません。
映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」感想
正直に言うと、最初はちょっと戸惑いました。というのも、『ザ・ファブル』って、最初からかなりスリリングでドキドキするアクション映画のイメージが強かったからです。
でも、この映画ではファブル(岡田准一)が暗殺者としての仕事を禁じられて、1年間「殺さない」というテーマで物語が進んでいくので、少し違った雰囲気が漂っているんですよね。
ファブルが普通の一般人として過ごさなければならないシーンが多いんですけど、岡田准一さんが普通のサラリーマンみたいな顔して、でも時々「こいつ、実はすごい殺し屋だぞ」って思わせるところが面白かった!
例えば、無意識にどんどん強くなっていくシーンがあったり、喧嘩の場面では「やっぱりファブルなんだな」って納得できるんですけど、日常の生活での無理な頑張りが、逆にちょっと可愛く見えてしまって(笑)。
ああいうギャップ、ちょっと好きです。
あと、ヨウコ(木村文乃)とのコンビも楽しかったですね!
ファブルと一緒に過ごしながら、彼を支えたり、ちょっとツンデレ的に接するところが面白かったです。
二人の相性は抜群で、まるで長年連れ添った夫婦みたいにお互いを理解し合っているんですよね。
あの場面でファブルに「さすがに、もうやめておけ」って言っているシーンとか、胸にきました。
しかし、最大の衝撃はやっぱり宇津帆(堤真一)の存在ですよね。
NPO法人を運営している善人の顔を持ちながら、裏では子供たちを平気で殺しちゃうというダークサイドを持っているのが本当に怖かった…。
この人物がファブルとどう絡むのかと思っていたら、なんとファブルが宇津帆の弟をかつて殺していたという過去が明かされるんです。
この展開がかなり予想外で、驚きました!
だからこそ、ファブルと宇津帆の対決がさらに緊迫感を増して、見ごたえがありました。
ファブルの過去と向き合う場面では、彼が自分自身と戦いながらも、「殺さない」というルールを守ろうと必死に努力している姿に感情移入できました。
暗殺者としての「業」を背負いながらも、普通の生活に足掻くファブルの姿が、ちょっと切なくもあり、また強くて格好よくも感じましたね。
最後に印象的だったのは、結局ファブルが「殺さない」という約束を守りながらも、物語が進むにつれてその約束が彼にとってどれだけ重いものかを感じさせてくれたところです。
最終的には、彼がどうしても手を出さずにはいられない状況になるのですが、そのときのファブルの選択が彼の人間らしさを見せていて、すごく心に響きました。
全体的に見て、アクション映画としては少し違う方向に進んだ気もしましたが、ファブルの成長を描いたドラマとしてはとても魅力的でした。
特に、ファブルとヨウコの絆や、ファブルが自分の過去を乗り越えていく過程に感動しました。
でも、もちろんアクションをもっと楽しみたいという人には物足りない部分もあったかもしれません。
アクションシーンの数は少なめで、どちらかというと人物描写に重点を置いている映画でした。
なので、ファブルのキャラクターや人間ドラマに興味がある方にはおすすめですが、ガッツリしたアクションを求める方には少し物足りないかもしれませんね。
とはいえ、私はとても楽しめましたし、ファブルというキャラクターの新しい一面を見られて良かったなと思います。
まとめ
『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、アクション映画でありながら、人間ドラマもしっかりと描かれた作品です。
ファブルというキャラクターは単なる殺し屋ではなく、その背後にある悩みや葛藤、成長を描いており、観客に強い印象を与えます。
岡田准一の演技が光る作品であり、アクションとドラマのバランスが絶妙で、最後まで飽きさせることなく楽しめます。
ファブルというキャラクターを通して、人間としての成長や過去と向き合うことの大切さを再認識できる、感動的で心に残る映画でした。
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