映画『この世界の片隅に』は、2片渕須直監督が2016年に発表したアニメーション映画で、昭和初期から戦後にかけての広島と呉を舞台に、日常の営みと戦争の影響を丹念に描いた作品です。
主人公のすずを通して、戦時下での人々の生活、苦悩、そして小さな幸せを深く掘り下げています。
この記事では、映画のあらすじ、ネタバレ、名言に焦点を当て、その感想や考察をお届けします。
また、映画の無料視聴方法についても紹介します。
映画「この世界の片隅に」解説
- 製作年:2016年
- 上映時間:129分
- ジャンル:ヒューマンドラマ、戦争、アニメ
- 監督:片渕須直
- 声の出演:のん(北條すず)、細谷佳正(北條周作)、尾身美詞(黒村径子)、稲葉菜月(黒村晴美)、小野大輔(水原哲)など
この作品は、こうの史代の同名漫画を原作としています。
クラウドファンディングによる支援を受けたことでも注目され、広島の風景や当時の生活様式を緻密に再現した描写が高く評価されました。
映画『この世界の片隅に』のキャスト紹介
- 北條すず(声:のん)
どこかぼんやりした性格の主人公。絵を描くのが好きで、広島市江波の海苔梳き職人の家で育ちました。物語を通じて、戦争によって奪われていく日常の中でも「生きる」ことを選び取ります。 - 北條周作(声:細谷佳正)
すずの夫。幼少期にすずに命を救われたことをきっかけに、すずを妻として迎えます。物静かで真面目な性格ながら、すずへの愛情を常に注ぎます。 - 黒村径子(声:尾身美詞)
周作の姉。気が強く芯のある女性で、一度結婚するも離縁して娘と実家へ戻ります。すずと衝突する場面もありますが、次第に信頼関係が築かれます。 - 水原哲(声:小野大輔)
すずの幼馴染で初恋の相手。海軍に志願し戦地へ向かいますが、すずの幸せを願って身を引きます。 - 黒村晴美(声:稲葉菜月)
径子の娘で、無邪気で明るい少女。戦争の不発弾により命を落としてしまいます。
映画『この世界の片隅に』のあらすじ
昭和8年、広島市江波で育ったすずは、絵を描くことが得意なぼんやり屋の少女。
ある日、幼い周作を誘拐から助けた出来事がありました。
成長したすずは、18歳の時に突然、呉の北條家に嫁ぐことが決まります。
初対面の夫・周作に戸惑いつつも、次第に絆を深めていきます。
嫁ぎ先の家族や近隣住民との触れ合い、戦時下での食糧難や空襲の恐怖が描かれます。
幼馴染の哲との再会や、義姉・径子との衝突など、すずはさまざまな出来事を通じて少しずつ成長していきます。
昭和20年、戦争の影響が本格化。
空襲で義姉の娘・晴美を失い、自身も右手を失ってしまいます。
この出来事はすずに深い悲しみをもたらし、生活にも暗い影を落とします。
終戦後、すずと周作は戦争による喪失を抱えつつも、新たな日常を築き始めます。
ある日、すずは戦災孤児の少女と出会い、その子を家族として迎え入れます。
映画は、戦争を経てもなお続く生活の力強さを描きながら幕を閉じます。
映画『この世界の片隅に』の見どころ
- 細やかな生活描写
本作の魅力の一つは、当時の生活文化を細かく再現している点です。料理や衣服の工夫、地域の風習など、戦時中のリアルな暮らしを丁寧に描いています。 - すずの成長と絆
戦争の困難を乗り越えながら成長していくすずの姿は、多くの観客の共感を呼びます。家族や周囲の人々との絆の深まりも見逃せません。 - 美しい背景美術
広島や呉の風景が細密に描かれ、物語の舞台が生き生きと映し出されます。特に、戦前の町並みと戦後の変化の対比が印象的です。
映画「この世界の片隅に」ネタバレ感想
映画『この世界の片隅に』は、観終わった後に胸の奥がじんわりと温かくなり、同時にどこか切なく締め付けられるような、そんな不思議な感覚を抱かせてくれる作品でした。
この映画を見ながら「当たり前」の日常がどれだけ尊いものか、改めて気づかされました。
すずのキャラクターが本当に魅力的ですよね。
彼女のちょっとぼんやりしたところや、どんな状況でも絵を描くことを楽しむ姿には、戦時中という過酷な環境の中でも彼女らしさを失わない強さを感じました。
特に右手を失った後も、夫や周囲の人々に支えられながら、少しずつ前を向こうとする姿には心が揺さぶられました。
絵が描けなくなってしまったすずがどう自分を保つのか、そこに目が離せなくなりました。
戦争の描き方も印象的で、恐怖や悲しみだけではなく、日常の中にそれがどう溶け込んでいくのかを淡々と描いている点が、この映画の大きな特徴だと思います。
「ただの日常」を描きながら、そこに突然空襲が落ちてきたり、大切なものが奪われたりする残酷さが、リアルに感じられました。
特に、晴美が亡くなってしまうシーンは、言葉にできない衝撃を受けました。
すずが彼女の手を離してしまった「自分のせいだ」と苦しむ姿が、あまりにも人間らしくて胸が痛かったです。
そして終戦。天皇の玉音放送を聞きながら、それまで必死に生き延びてきた人々が、何を思ったのか想像すると涙が止まりませんでした。
「何のためにこんなに耐えたのか」というすずの心の叫びが、全ての戦争被害者の声のように思えました。
それでも、この映画が素晴らしいのは「日常の尊さ」を最後まで伝えてくれるところです。
右手を失っても、晴美を失っても、それでもすずは夫や家族とともに生きる力を取り戻していく。
終盤で戦災孤児の少女を受け入れるシーンでは、「誰かと共にいること」の大切さがしみじみ伝わってきました。
小さな笑顔や食卓の風景に、戦争の時代でも幸せを見つけられる希望があるんだと感じました。
『この世界の片隅に』は、ただ悲しいだけの戦争映画ではありません。
人間のたくましさや優しさ、そして命の重みを教えてくれる大切な物語です。
この映画を通して、過去の歴史を学びながら、今ある日常にもっと感謝しようと思いました。
映画「この世界の片隅に」泣けるポイント
映画『この世界の片隅に』には、涙を誘うシーンがいくつもあります。
戦争の悲しさだけではなく、日常の中に潜む小さな幸せや希望が感じられる瞬間も涙を誘います。
いくつかの「泣けるポイント」を挙げてみますね。
晴美の死
すずの妹分として可愛がられていた晴美が、空襲の爆弾で亡くなってしまうシーンは、特に胸が痛みます。
すずが彼女の手を離してしまった瞬間の後悔と悲しみ、「私のせいだ」という叫びに、観ている側もどうしようもない罪悪感を感じます。
その後、晴美がもういない現実を受け入れなければならない家族の様子も涙を誘います。
右手を失った後の葛藤
爆撃に巻き込まれ、すずが右手を失う場面は衝撃的です。
絵を描くことが生きがいだった彼女にとって、これはただ身体の一部を失う以上の喪失感だったと思います。
その後、絵が描けないことに苛立ち、夫に感情をぶつける場面は、人間の弱さや苦しみがリアルに描かれていて、共感せずにはいられません。
「何のために耐えたのか」と泣き崩れるシーン
終戦を迎えた後、すずが涙ながらに「何のためにこんなに耐えてきたのか」と叫ぶシーンは、この映画の中でも特に心を揺さぶられる場面です。
すずだけでなく、当時の多くの人々が感じた無力感や虚無感が凝縮されている瞬間で、観ている側も言葉を失います。
孤児の少女との出会い
終盤、戦争で家族を失い孤児となった少女をすずが家族として受け入れる場面は、涙とともに希望を感じるシーンです。
少女がすずを「お母さん」と呼ぶ瞬間や、すずが彼女を抱きしめる姿に、人と人が支え合う大切さが痛いほど伝わってきます。
日常の中の小さな幸せ
戦争の影が常にある中で、それでもすずや家族が小さな幸せを見つけて笑い合う瞬間が、逆に涙を誘います。
たとえば、空腹でも工夫して作った料理を美味しそうに食べるシーンや、夫・周作との穏やかなひとときが、戦時中だからこそ貴重であり、その尊さが胸にしみます。
すずが自分の居場所を見つけるシーン
広島から嫁いだすずが、最初は居場所を見つけられず戸惑う姿が描かれますが、物語が進むにつれて、家族の一員として絆を深めていきます。
その過程で、彼女が「ここにいてもいい」と思えるようになる瞬間に、自然と涙がこぼれます。
映画「この世界の片隅に」口コミ
戦争という過酷な時代の中で、普通の人々がどれだけ強く生きたかを教えてくれます。すずの目を通して描かれる日常の美しさと、戦争の恐ろしさが交差するシーンに涙が止まりませんでした。すずがどんな小さな幸せを見つけようとしても、それがすぐに壊れてしまう現実に、胸が締め付けられました。何度でも観たい映画です。
アニメーションの美しさに圧倒されました。色使いや背景の描写が本当に素晴らしく、戦争の悲惨さを伝えながらも、どこか温かみを感じさせます。すずが描く絵の中に、希望や愛が込められていて、その一枚一枚に感動が詰まっていると感じました。心に残るシーンが多く、じっくりと観る価値がある作品だと思います。
戦争映画と言うと重いイメージがあるかもしれませんが、この映画は戦争を背景にしているだけで、登場人物たちの日常や生活がとても大切に描かれています。すずが食事を作るシーンや、家族と過ごす何気ないひとときに、普段の生活がどれほど幸せなことなのかを気付かされました。小さな幸せが生きる力になる、そんなメッセージが心に残ります。
戦争の悲劇を淡々と描いているところが余計に痛々しく感じました。登場人物がどれほど普通の人であっても、戦争という大きな力に翻弄される様子がリアルで、観ていて辛くなります。でもその中でも人々が希望を失わずに生きていく力強さが感じられて、少し救われる気持ちにもなりました。胸が苦しくなるシーンが多かったけれど、それが逆に映画の深さを感じさせます。
戦争の悲劇を淡々と描いているところが余計に痛々しく感じました。登場人物がどれほど普通の人であっても、戦争という大きな力に翻弄される様子がリアルで、観ていて辛くなります。でもその中でも人々が希望を失わずに生きていく力強さが感じられて、少し救われる気持ちにもなりました。胸が苦しくなるシーンが多かったけれど、それが逆に映画の深さを感じさせます。
映画「この世界の片隅に」を無料で視聴する方法
映画「この世界の片隅に」を無料で視聴するにはいくつかの方法があります。
ここでは、代表的なものを紹介します。
無料体験期間を利用する
U-NEXTは、日本国内で人気のある動画配信サービスの一つです。
新規登録者には31日間の無料トライアル期間が提供されており、この期間中に「この世界の片隅に 」を視聴することが可能です。
U-NEXTは、洋画や邦画、国内外のドラマ、アニメ、さらにはバラエティ番組、そして電子書籍などさまざまなコンテンツを提供する動画配信サービスです。
無料期間中に解約すれば料金は発生しないため、映画を見終わった後に解約することで、実質無料で視聴が可能です。
以下は簡単なステップです。
- U-NEXTの公式サイトにアクセスし、無料トライアルに登録
- 検索バーで「この世界の片隅に」を検索
- 見たい作品をクリックして視聴を開始
- 31日間の無料期間中に全作を視聴可能
また、無料期間が終了する前に解約すれば、料金は一切かかりません。
ポイントサイトを活用する
モッピーやハピタスなどのポイントサイトを利用して、動画配信サービスに登録すると、ポイントを貯めることができます。
これらのポイントを使って、動画配信サービスの月額料金を支払えば、実質無料で視聴できます。
家族や友人のアカウントを共有する
すでに動画配信サービスに加入している家族や友人に、アカウントを一時的にシェアしてもらう方法もあります。
多くのサービスでは複数端末での視聴が可能なので、この方法で「この世界の片隅に 」を無料で楽しむことができます。
まとめ
『この世界の片隅に』は、戦争の厳しい現実を描きつつも、日常の中にある美しさや希望に焦点を当てた作品です。
すずの無邪気で優しい性格、そして彼女を取り巻く人々との絆に心を打たれること間違いなしです。
絵の美しさ、温かみ、そしてその中に込められた深いメッセージが、見る者に深い感動を与えます。
何度観ても新たな発見があり、戦争というテーマを通じて人生や家族の大切さを再認識させられる作品です。
この映画を観ることで、私たちの日常の中の「小さな幸せ」を大切にしようという気持ちが芽生えるでしょう。
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