映画『ハンニバル・ライジング』は、ハンニバル・レクター博士シリーズの第4作目で、時系列としては最初に位置する作品です。
この映画では、後の冷徹な連続殺人鬼、ハンニバル・レクターがどのようにして生まれたのか、その若き日々と復讐心が描かれています。
この記事では、映画「ハンニバル ライジング」のあらすじからキャスト、見どころ、そしてネタバレを含む感想までを詳しくご紹介します。
ハンニバルシリーズのネタバレあらすじ（時系列順）
1.ハンニバル ライジング（2007年）のネタバレあらすじ
2.レッド・ドラゴン（2002年）のネタバレあらすじ
3.羊たちの沈黙（1990年）のネタバレあらすじ
4.ハンニバル（2001年）のネタバレあらすじ
映画「ハンニバル ライジング」解説
トマス・ハリスの原作を映画化した「ハンニバル・レクター」シリーズ第4弾
キャスト
- ハンニバル・レクター（ギャスパー・ウリエル）：若きハンニバル・レクターを演じる。彼の冷徹な性格が形成される過程が描かれる。
- レディ・ムラサキ（コン・リー）：ハンニバルの叔母で、彼に剣道を教え、彼の心の支えとなる人物。
- グルータス（リス・エヴァンス）：ハンニバルが復讐する相手の一人で、妹を食べた男たちのリーダー。
- ドートリッヒ（リチャード・ブレイク）：グルータスの部下。
あらすじ
1944年、第二次世界大戦の最中、リトアニアの貴族であるレクター家は、空襲を避けて隠れ家に移ります。
しかし、そこにソ連軍とドイツ軍の戦闘が巻き起こり、両親を失い、ハンニバル（ギャスパー・ウリエル）と妹ミーシャ（ヘイナ・リア・タチョヴスカ）だけが生き残ります。
孤立した彼らは食糧不足に陥り、ある日、家にやってきた男たちによって、ミーシャが食べられてしまうという恐ろしい事件が発生します。
ハンニバルはそのショックで記憶を失い、心に深い傷を負います。
8年後、ハンニバルは西側にある親戚を頼ってフランスに向かいます。
叔父はすでに亡くなっていましたが、叔母であるレディ・ムラサキ（コン・リー）が彼を迎え入れ、彼を養育します。
レディ・ムラサキはハンニバルに剣道を教え、彼を精神的にも支えます。
その後、ハンニバルは医学生となり、パリに住むことになります。
ハンニバルは、戦争の記憶が戻り、妹を殺し食べた男たちの名前を思い出します。
その記憶を元に、彼はその男たちを一人ひとり復讐していきます。
最初の復讐は、レディ・ムラサキを侮辱した肉屋を殺し、その首を彼女に捧げるというものです。
最終的に、ハンニバルは妹を殺した男たちが集まるグループを追い詰め、そのリーダー・グルータス（リス・エヴァンス）に復讐を果たします。
グルータスは、妹を食べたことを告白し、ハンニバルの怒りを買います。
復讐を終えたハンニバルは、最後にカナダに移住している生き残りの男に対しても復讐を遂げるため、再び海を渡る決意をします。
見どころ
『ハンニバル・ライジング』は、ハンニバル・レクターがどうして冷徹な殺人鬼となったのか、その心理的な変化に焦点を当てています。
彼の若き日の姿と、過去の悲劇が彼に与えた影響を追体験できます。
ハンニバルの復讐劇がメインのストーリーです。
彼がどのようにして一人一人を追い詰め、冷酷に復讐を遂げるのかが、見る者に強烈な印象を与えます。
ヨーロッパ各地の美しい風景を背景に、キャストの迫真の演技が光ります。
ギャスパー・ウリエルは、ハンニバル・レクターを演じるにふさわしい冷徹でありながらも魅力的なキャラクターを見事に表現しています。
映画「ハンニバル ライジング」のネタバレ感想
私はその衝撃的なストーリーとハンニバル・レクターの起源を描いた描写に心を揺さぶられました。
シリーズの中では後の冷徹な連続殺人鬼として登場するハンニバルですが、この映画では彼がどのようにしてその冷酷さを手に入れたのかを深く知ることができます。
まず、彼の幼少期の悲劇に胸が痛みました。
両親を失い、妹を目の前で食べられるという恐ろしい経験が、彼の心にどれほど深い傷を残したのかが、映画を通して強く伝わってきました。
このトラウマが彼の冷徹さや人間性に対する不信感を生んだのだろうと思うと、復讐心が膨らむのも無理はないと感じました。
特に印象的だったのは、彼が復讐を果たすシーンです。
一人一人、冷静に、そして恐ろしい方法で男たちを追い詰めていく様子は、正直言ってゾクゾクしました。
復讐劇としてはかなりダークでありながら、その中に人間性を感じる瞬間もありました。
特に、レディ・ムラサキとの関係は、完全に冷酷な人間ではないことを思わせてくれます。
彼女の存在が一種の支えとなり、心の拠り所であったことが描かれており、内面をより複雑に感じさせました。
ただ、個人的には、ハンニバルの復讐が進んでいく中で、暴力性が次第に増していく様子が少し物悲しく感じられました。
犯す暴力は確かに正当化できる部分もあるかもしれませんが、それでも人間性の崩壊を見ていると、どこか切なさも感じずにはいられませんでした。
復讐を終えた後、カナダに向かうシーンでの表情が何とも言えず寂しげで、これからどんな冷徹な人物へと成長していくのかを思うと、少し恐ろしさも感じました。
総じて、映画『ハンニバル・ライジング』は、ハンニバル・レクターのキャラクターを深く掘り下げ、どのようにしてその冷酷さを身につけたのかを理解するための非常に重要な作品だと思います。
過去に触れることで、ただの殺人鬼ではない複雑な人物像が浮かび上がってきて、なぜあんなに恐ろしい存在になるのかが少し理解できた気がします。
映画「ハンニバル ライジング」口コミ
ハンニバル・レクターの誕生を描いた作品です。『羊たちの沈黙』や『ハンニバル』のファンなら、間違いなく楽しめるはず。特にレクターの幼少期がどうしてあんな冷徹な人物になったのか、背景がしっかりと描かれており、彼の行動に対する理解が深まります。ただし、復讐の描写が非常に暴力的なので、残虐なシーンに抵抗がある人には少し厳しいかもしれません。でも、それでも『人間の闇の部分』に迫る深い映画だと感じました。
この映画を観た後、しばらく心が重かったです。幼少期に大きなトラウマを受け、復讐の鬼となるハンニバルを見ていると、彼の怒りや悲しみが痛いほど伝わってきました。ギャスパー・ウリエルの演技が素晴らしく、ハンニバルの複雑な感情を見事に表現していると思いました。特に、復讐を果たしていく過程で見せる冷徹さと、どこか寂しげな表情が印象的でした。レディ・ムラサキとの関係が温かく感じられる瞬間もあり、感情の振れ幅に心を打たれました。
映像美にも注目したい映画です。特にロケーションが素晴らしく、東欧の荒廃した景観が、物語の暗さをより際立たせています。また、レディ・ムラサキとの剣道のシーンや戦後の復讐劇は、ビジュアル的に非常にスタイリッシュで美しいシーンが多かったです。映像と音楽の使い方が巧妙で、場面ごとに感じる緊張感が全体を通して高まりました。
映画を観る前は、ただの復讐劇だと思っていましたが、予想を超えて深い映画でした。レクターが人間としてどう成長していったかに焦点を当て、その背後にある人間らしい感情や心の葛藤が描かれています。妹の死を目の前で見せられ、彼がどれほどの恐怖と絶望を味わったかを想像すると、少し胸が痛くなりました。最後には、復讐を果たした彼がどこか寂しげに見え、彼がどんな人物になっていくのかが少し理解できたように感じます。
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多くのサービスでは複数端末での視聴が可能なので、この方法で「ハンニバル ライジング 」を無料で楽しむことができます。
まとめ
『ハンニバル・ライジング』は、単なる復讐劇にとどまらず、ハンニバル・レクターという複雑なキャラクターがどのようにして恐ろしい存在になったのかを深く掘り下げた作品です。
映画は彼の心の闇と過去の痛みを描き出し、観る者に強烈な印象を与えます。
ギャスパー・ウリエルの演技は見逃せず、特に復讐を果たしていく過程で見せる冷徹さと心の葛藤が胸を打ちます。
ラストに近づくにつれて、ハンニバルの孤独や切なさが浮き彫りになり、ただの悪役ではなく、深い人間ドラマを感じさせます。
復讐が果たされ、彼の中に残ったのは果たして「勝利」だったのか、それとも更なる孤独だったのか。その答えは観る人それぞれに委ねられています。
この映画は、暴力的なシーンが多いものの、ハンニバル・レクターの過去と向き合わせることで、単なるサイコパスとしての描写にとどまらず、深い人間ドラマを楽しむことができる作品です。
シリーズのファンであれば、彼の過去を知ることで、今後の行動に対する理解が深まることでしょう。
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